なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ION DISSONANCE『Cursed』

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カナダの“メタリック・カオティック・バンド”が先月リリースした4枚目のアルバム。

数学の計算をしているみたいなテクスチャーだからか、
こういうサウンドは“マスコア(mathcore)”と呼ばれるみたいだが、
カオティック・ハードコアと言った方がイメージも湧きやすいかもしれない。


DILLINGER ESCAPE PLAN以降の変則的なリズムの高速サウンドとはいえ、
彼らほど端正な演奏ではない。
いい意味でテクニカルに感じさせないのだ。

かなりデス・メタルとグラインド・コア、
いや残忍なシャウトも多用するヴォーカルも含めてデスコア度が高い。
MORBID ANGEL並みに戦闘的なキック・ドラムも強力で、
ドラムとのユニゾンのベースもゴリゴリで音が大きい。
スロー・パートも、ねちっこくて大変よろしい。

本編のラスト・ナンバーの最後に5分ぐらい続くミニマルな音源が象徴するように、
実験的な音作りも密かに施している。
2本のギターとベースとドラムとヴォーカルの応酬のタイミングの取り方も面白く、
奥が深い。
聴くたびに発見があるバンドだから繰り返し耳を傾けたくなる。


フランス語圏のケベック州が拠点ながらも歌詞は英語である。
その内容もデスコア風だ。
ヤツラがどーのこーのなんて歌わず、
おれとおまえのタイマン勝負。
“ファック・ユー!”アティテュードに貫かれているのは真剣な対峙ゆえのことだと、
声の響きが告げる。

UK DECAYやRUDIMENTARY PENIなどの80年代前半の英国のダークなパンクと、
最近のDARKTHRONEのジャケットが混ざったような画のアートワークにもそそられる。
音楽性は異なるが、
通じる意識も感じるのだ。

“耳障りで不快な音”と“考えや行動の不一致/意見の食い違い”を意味する、
“dissonance”という言葉をバンド名に刻み込んだだけはある。
内省的かつ暴虐的で心と関節に響く強力作だ。


★アイオン・ディソナンス『カースド』(Doom Patrol Foundation DOOM-0026)CD
簡潔なバイオグラフィーと歌詞の和訳付で、
2曲のボーナス・トラック(そのうち一曲は本編のテクノ風リミックス)を追加して約53分14曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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