なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

SUPERCHUNK『Majesty Shredding』

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89年から米国南部ノースカロライナを拠点に活動している“インディ・ギター・ロック系”の4人組。
プライベートな事情などで2000年代は8年近くお休みし、
9年ぶりにリリースした9作目のアルバムが『Majesty Shredding』である。
リリース元はもちろん、
マック・マコーン(vo、g)とローラ・バランス(b)が運営するMERGE Recordsだ。


90年代初頭からメンバー変動無しの鉄壁の布陣で間違いのないバンドだから、
今回も問題無し。
確かに“安心印”のバンドとはいえ、
進化はしてないかもしれないが深化しているのはMOTORHEADと同じである。
一定の人気をキープしているためか欲のなさが功を奏して道を踏み外さないが、
とにかく音楽が好きだからせっせと曲を書いて一生懸命演奏しちゃう。
まさにメシ作って食べるみたいに日常の自然な行動のひとつみたいに音楽を楽しんでいる。
そんな毎日と今までやってきた音楽の現時点での集大成みたいな濃いアルバムだ。

やんちゃ加減もポップ具合もパンクっぽさも適度な、
ぽかぽか日当たりのいいロック・ミュージックである。
アメリカのいわゆるインディ・ロック特有まったりしたムードに覆われているが、
産まれたばかりみたいな勢いだから、
ヘタレなジャンルとしてのインディ・ロックの中に入れたくない。
シャキッ!とした前のめりの音なのだ。
すがすがしくて針が振り切れている。

どこまで行ってもアメリカンな風情の楽曲はディープと言ってもいいほど楽曲クオリティが高い。
ゆったりしたテンポもやっているにもかかわらず、
たるい曲はひとつもないし、
アルバム全体のスピード感がすごい。


現実問題メンバー全員が集まってプレイすることは今も簡単ではないらしいが、
お休み中にも一人一人は少なからず音楽をやっていたことが想像できる演奏ぶり。
ギターが目立つバンドで、
艶めかしく太い音で痺れるギター・ソロもさりげなく披露。
コシの強いベースもウルトラ・パワフルなドラムも大したもんだ。
元気がいい。
マッチョとは対極にもかかわらず音がストロングなのである。

大半の曲はギター2本とベースとドラムスのみで、
1曲ゲストがトロンボーンとチューバとトランペットを、
1曲ゲストがヴィオラを入れるが、
シンプルな楽器で作ったとは思えないほど彩り豊かなにもびっくりする。
ベテランならではの演奏の妙味ってやつなんだろうが、
楽器の音色がカラフルだし音の絡みが絶妙なのだ。
何の前情報も無しで初めてSUPERCHUNKを聴いたときに女性が歌っていると思ったほど、
中性的な歌声のヴォーカルも永久に瑞々しい。

12ページのブックレットにはメンバー写真も載っていて、
みんなSUPERCHUNK流の凄みを見せている。
特に紅一点のローラ。
昨年SUPERCHUNKを日本に呼んだ“張本人”の小林英樹執筆のライナーによれば、
ふだんは育児に忙しいとのことだが、
溜まったモノをぶつけているみたいなステージ写真が実にクール。

フツーのシャツ着てステージに立っても本気でやっている人はカッコイイのです。


★スーパーチャンク『マジェスティ・シュレッティング』(P-ヴァイン PCD-93360)CD
日本盤は歌詞の和訳が付き、
本編の2曲のアコースティック・ヴァージョンを追加した約50分13曲入り。
味のある紙質のデジパック仕様だ。


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コメント

SUPERCHANK・・・

見出しのバンド名ぐらいはスペル確認しようよ。
SUPERCHUNKだろ。
みっともない。

スーパーチャンクの相変わらずの瑞々しさに胸キュン(笑)してしまいました
20年選手でありながら活力漲る素晴らしい音ですね
あと行川さんがミューマガでも紹介されていましたがボリスの海外での人気&評価は高まる一方ですね。
マーク・スチュワートもボリスに興味があるみたいな発言をしてましたし・・・
日本でも映画「告白」に楽曲が使用されたりしているのでもっと認知されてほしいです

>清水さん、
指摘ありがとうございます。助かります。訂正しておきました。
>ゾーン・トリッパーさん、
ますます若くなるバンドは元気付けられます。胸キュン、上手い表現ですね。
マークもボリスに興味持っているとは知らなかったです。日本っぽいところが外国では受けるのかもしれませんね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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