なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

SWORD『Warp Riders』

SWORD pecf3010


2003年結成の米国テキサスのヘヴィ・ロック・バンドによる2年ぶりのサード・アルバム。

METALLICAに連れられて今日と明日に日本公演のサポート・アクトを務めるはずだが、
そのドラマーのラーズ・ウルリッヒは、
「俺らの若い時より全然かっこいい」と言っているらしい。
若い時云々はともかく、
METALLICAが90年代に試みた『Load』『Reload』の土臭い路線を百万倍カッコよく獰猛にやっている。
“メタル・セレブ”にはできないプリミティヴでハングリーなロック魂が炸裂しているアルバムなのだ。


ソングライターでもあるJ.D.(vo、g)がこれまでプロデュースしてきたが、
ISISやMASTODONの諸作を手がけたことでお馴染みのマット・ベイルズが、
録音やミックスも含めて制作に携わった。
ストーナーなホコリと煙が宙を舞う空気感を活かしつつ、
適度にタイトなサウンドに仕上がっている。

神話的な詞に息づく歌心が支配し、
ドゥーミーかつスラッシーに展開するダイナミックなヘヴィ・ロック・サウンドだから、
HIGH ON FIREを思い起こしたりもする。
だが『Warp Riders』はパンク/ハードコアのニュアンスよりも、
BLACK SABBATHとZZ TOPの熱く静かなる荒野の決闘みたいな、
トラディショナルな“ハード・ロック”を更新したプリミティヴなグルーヴ感に貫かれている。

音が太いのはブルースや民俗音楽といった天然の生の恵みも血肉となっているからだ。
日本盤のボーナス・トラックになった渋い佳曲の「Daughter Of Dawn」が象徴するように、
LED ZEPPELINの消化方法に近いものを感じる。
と同時にスラッシュ・メタル以降の“リフ・ロック”だし、
JUDAS PRIESTのようなソロも適度に弾くツイン・ギターがたのもしい。
メタリックなハイ・トーンではないが、
高めの音域で飄々としたヴォーカルに70年代からのアメリカン・ロックの伝統も強く感じる。
だからスラッシュ以降のサザン・ロックとしても楽しめるのであった。

前半と後半とでストーリーが形成していて最終的にひとつの作品に仕上げられているが、
いわゆるロック・オペラみたいに凝った構成ではないから通常のアルバムとしても楽しめる。
ジャケットでピン!と来たら間違い無し!の佳作だ。


★ザ・スウォード『ワープ・ライダーズ』(P-ヴァイン PECF-3010)CD
日本盤は1曲追加で全曲の和訳付の約54分全11曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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