なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

サントラ盤『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』

SICP2799_L.jpg


若き日のジョン・レノンと二人の“母”の物語を描く、
11月5日公開の映画のサントラ盤。

ぼくはまだ映画を見てないが、
聴いたら見たくなったCDである。


収録曲は以下のとおり。
●ジェリー・リー・ルイス「Wild One」
●ディッキー・ヴァレンタイン「Mr. Sandman」
●Jackie Brenston & HIS DELTA CATS「Rocket 88」
●エルヴィス・プレスリー「Shake, Rattle & Roll」
●ワンダ・ジャクソン「Hard Headed Woman(邦題:冷たい女)」
●“スクリーミン”ジェイ・ホーキンズ「I Put A Spell On You」
●Eddie Bond & the STOMPERS「Rockin' Daddy」
●エディ・コクラン「Twenty Flight Rock」
●ビッグ・ママ・ソーントン「Hound Dog」
●Gene Vincent & the BLUE CAPS「Be-Bop-A-Lula」
●アーロン・ジョンソン「Hello Little Girl」
●John Lennon & the PLASTIC ONO BAND「Mother」(アンソロジー・ヴァージョン)

またBEATLESの前身バンドのQUARRY MENの代わりに映画で登場する、
NOWHERE BOYSがプレイしたカヴァーも6曲入っている。
ジョン・レノン役のアーロン・ジョンソンと、
ジョージ・ハリスン役のサム・ベルがフロント・マンで、
映画の音楽プロデューサーやセッション・ミュージシャンが演奏を務める編成。
音の質感なども上記の昔のレコーディングの曲と違和感ない仕上がりだ。


もちろんジョン・レノンの馴染みの深い曲が並び大半がロックンロールで、
“レノンはこういう曲で育ったんだなぁ…”と特別のファンでもないぼくでも感慨深いし、
サントラ盤云々別にしても聴けば誰しも切なくハッピーになるだろう。
REZILLOSの『Can't Stand The Rezillos』みたいだ。

ロックンロール黎明期ならではのしあわせな時代だったとも思う。
極端な話、たとえば続けてエクストリーム・メタルなどを聴くと隔世の感もあり、
かけ離れているといえばかけ離れているが、
言わずもがなのMOTORHEADや灰野敬二をはじめとして激音ロックも根は同じ。
でかい意味でロックンロールに変わりはないから。
あらためて思ったが、
こういった曲はプリミティヴなパンク・ロックやハードコア・パンクのように何もかもたいへんシンプル。
歌詞も含めてある程度パターンが決まっているところも似ているし、
簡潔なスタイルだからこそすき間を生かして深くも成り得る。


調べたら全33曲入りの2枚組CDもリリースされていたようだが、
日本盤はそのディスク1のみの18曲入りだ。
だが日本盤を買う価値もある“+α”の作りになっている。

聞き取りも含むとはいえ歌詞とその和訳が付いていて、
曲名からもわかる言葉の選び方がとても面白い。
普段こんがらがったジグソーパズルみたいな歌詞と格闘することも多いだけに
他愛がないようで想像力をくすぐられてブッ飛び言葉自体が走っている実は深い歌詞が、
えらく新鮮に映った。
細かい歌の内容は別としてやっぱりパンク・ロックのルーツもこのへんなのだ。

そしてライナー。
監督+脚本家+音楽監督による英文ライナーと曲解説では、
選曲理由や曲のエピソードなどが語られている。
さらに萩原健太執筆の一曲ごとの詳細な曲解説が読み応えありありだ。
全18曲分をトータルでかなりの字数……1万字は越えているのではないだろうか。
様々な物事とリンクさせながら最低限以上の情報がわかりやすく緻密に書かれている。
むろん新譜や無名のアーティストではこういうふうにはいかないし、
ある程度研究されつくされていて評価が定まっているアーティストや曲が対象とはいえ、
曲解説の話の進め方として個人的にもインスパイアされた。


★サントラ盤『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(ソニー・ミュージック・ジャパン・インターナショナル SICP 2799)CD
12ページのオールカラー・ブックレットに加え、
上記の内容が詰まっていて大きい字じゃないとはいえ読みやすいレイアウトもうれしい
28ページのブックレットも別に付いている。
18曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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