なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Gregory and the Hawk『Leche』

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ニューヨーク拠点のシンガーソングライターであるメレディス・ゴドルーのプロジェクト、
Gregory and the Hawkの2年ぶりのサード・アルバム。
瑞々しい歌声とアコースティックな音が神経に響く一枚だ。


以前プロデュースしていたアダム・ピアース(MICE PARADE)は、
今回ドラムやエレクトリック・ギターなどでの参加。
メレディスによる弾き語りが中心だが、
アコースティック・ギターとハープの他にヴァイオリン(orヴィオラ)やピアノも演奏したと思われる。

音数少なく、おくゆかしい。
にもかかわらず何気にダイナミックなのは意識が小ぢんまりとしてない表われだろう。
曲ごとに薄っすらと音を重ねているようにも聞こえ、
少ない色使いにもかかわらず濃い水彩画みたいである。

ほぼ全曲セルフ・プロデュースで、
奥行きのあるレコーディングの仕上がりも素晴らしい。
静かな音楽にもかかわらずヴォリュームを絞っても大きな響きに聞こえる作りだし、
なにより弦の震えをはじめとする音の息遣いが伝わってくる。
それはジャンル問わずとても大切なこと。
音楽を生かすことになるから。

彼女の吐息も伝わってくる。
ぴりぴり痺れてビリビリ震える。
オルゴールの中みたいなキラキラした響きは生々しく、
目が覚めるほどヒリヒリしている。
音が鳴った瞬間に場の空気を変えるし気温も下げるほどだ。

ここ数年のべス・ギボンズ(PORTISHEAD)のように
触れたら彼女が崩れるかこっちが切れそうな歌声の響きにもかかわらず、
キュートな薫り。
2年ほど前のインタヴューでは影響受けたバンドとして、
LEMONHEADS、BLAKE BABIES、MY BLOODY VALENTINE、SUNDAYSを挙げ、
ポップ・ミュージックが大好きと公言している。
確かに凛然とした佇まいでも気さくな雰囲気。
あまりマニアックに陥らず微妙にポップだ。

“わたし”と“あなた”の関係を綴る歌詞はラヴソングに思えるが、
音楽と同様に静かに突き放すごとくクールな視点がたまらない。
歌詞の英語を眺めていると落ち着いた詩的表現もささやかに刺激してくれる。

他人の目をあざむく策に頼る“アーティスト”は化けの皮がすぐに剥がれる。
やっぱりひとつひとつていねいに紡ぎだすことがたいせつなのだ。


★グレゴリー・アンド・ザ・ホーク『レチェ』(Pヴァイン PCD-93371)CD
1曲追加された13曲入りの日本盤は本編の歌詞と和訳付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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