なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

DOWN『Diary Of A Mad Band:Europe In The Year Of Ⅵ』

DOWN-DIGIcover-7736-5-LR.jpg


米国南部ニューオリンズ拠点の“俗悪ヘヴィ・ロック・バンド”。
メンバーは、
フィリップ・アンセルモ(vo~元PANTERA他)、
ペッパー・キーナン(g、vo~CORROSION OF CONFORMITY[C.O.C.])、
カーク・ウィンドスタイン(g、vo~CROWBER、KINGDOM OF SORROW)、
レックス・ブラウン(b~元PANTERA他)
ジミー・バウアー(ds~EYEHATEGOD他)、
である。


これは2006年夏の欧州ツアーの模様を編集した作品。
ドイツ、オランダ、イギリス、フランス、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイルランドでの、
数回分のステージをCD2枚とDVDに収めている。
サード・アルバム『Down Ⅲ:Over The Under』(2007年)の曲はなく、
『NOLA』(95年)と『Down Ⅱ:A Bustle In Your Hedgerow』(2002年)の曲を披露しているが、
むろん現在進行形のステージだ。
まだ持ち曲が少ない時代だからCDとDVDの曲の大半がダブっているとはいえ、
必ずしも同じテイクとは限らない。

微妙にスモーキーなCDは2枚組で計約101分16曲入り。
数ヶ所のステージで構成されているとはいえ一続きの通常のライヴ盤として楽しめる。
DVDは17曲を披露したステージにオフ・ステージの模様も適度に挿入し、
ツアー・ドキュメンタリー映画風に仕上げた約121分の本編に、
約13分の“お笑いオマケ映像”を追加。
ライヴは数台のカメラで捉えられているが、
音も映像も70年代のコンサート・フィルムを意識した侘び寂びの効いた作りは、
DOWNのキャラと音楽性にぴったりだ。
曲ごとに収録場所が違い、
曲を続けず間にワン・クッションを置く映像が挿入されているから、
長丁場でも飽きずに楽しめる。


ドゥーム・ロックとサザン・ロックをトロトロとになるまで熱く煮込んだようなサウンドは、
スラッジ・コアよりもスラッジーでぬかるんでいる。
THIN LIZZYみたいなツイン・ギターの妙味も効いている。
力の入れ具合と抜き具合のバランスが絶妙で、
ドラムをはじめしたゆるくて不穏なヘヴィ・チューンが、
フック十分のソングライティングで活きている。
アンダーグラウンドの匂いムンムンながら、
メジャー・フィールドでも活動してきたメンバーを含むだけに破格のスケールで迫る。


言うまでもなく、
フィリップ・アンセルモはハードコア・メタル・スタイルのヴォーカルのパイオニアだ。
90年代後半以降に吐き出されたヘヴィ・ミュージックの咆哮の大半はフィリップのフォロワー。
大声競争みたいに力比べしてなぞっているだけでしかないほとんどの単細胞にはウンザリだが、
やはり本家は味があると再認識する。

ぼくはフィリップ・アンセルモをPANTERAでの数回のライヴしか観てないが、
ステージ上でもムラっ気十分だし、
イベントの“ビースト・フィースト 2002”におけるDOWN最初の来日公演のドタキャン、
腹に彫られたタトゥーの“UNSCARRED”の“無傷の”という意味合いなど色々考える。
ぼくは音楽も“意識を聴き”“意識を観る”から、
そこにフィリップ・アンセルモの甘ったれゆえの虚勢を見る。
やっている音楽のタイプは違えどヤク中ってことを含めて、
ぼくにとってフィリップ・アンセルモはジョニー・サンダースと同じだ。
しょーもないヤツ、
だが放っておけない気にさせるズルいヤツなんである。
口汚いMCは健在だが、
バンドの仲間とファンに気持ちをほぐされて“弱さ”も見せつつあるヴォーカルは、
ゴリ押しではなくテキトーさ加減もイイあんばいなのだ。


寝そべって酒でも飲みながら気軽に楽しめる。
濃い口なのは保証付。

新作も遠くない将来にリリースしそうだから心して待ちたい。


★ダウン『ダイアリー・オヴ・ア・マッド・バンド』(ロードランナー・ジャパン RRCY-29226~8)2CD+DVD
日本盤はスタジオ録音盤に基づく歌詞付で、
DVDはむろん日本語字幕付だ。
四面デジパック仕様。


スポンサーサイト

コメント

>>腹に彫られたタトゥーの“UNSCARED”の“怖くない”という意味合い

フィル・アンセルモの腹に彫られてるのは"UNSCARRED"だろうが。
全然意味が違うよ。
あんた、そんな常識も知らなかったか。呆れた。
二度とパンテラのことを書かないで欲しい。

あと、この書き込みを見て、何食わぬ顔して本文を直すなよ。

もう1つ教えてあげようか。

>>DOWN『Diary Of A Mad Band:Europe In The Gear Of Ⅳ』

タイトルが間違ってるけど、Europe In The Gear Of VIだろ。
ギアをトップの6段階に入れてるって意味なんだから。

これはケアレスミスじゃなくて、あんたがアーティストの意図をまるで理解してないんだということを認めろよ。

書き込みありがとうございます。
訂正させていただきます。
どちらも指摘、感謝します。

無礼なコメントについて

管理人さん、こんな失礼なコメント、消してしまえばいいと思うよ。いくら正しい事でも指摘の仕方が
無礼すぎる。ただのクズなガキでしょう。

ガキは帰れ。さん、書き込みありがとうございます。
原則としてコメントは全部あえて残すようにしています。鏡を見るようなものですから。
気遣いに感謝します。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/304-d07f4539

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (294)
映画 (262)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (48)
PUNK/HARDCORE (420)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (99)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (124)
FEMALE SINGER (43)
POPULAR MUSIC (27)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん