なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

三上寛&今井和雄DUO、朝生愛&樋口寿人DUO ~2009年7月14日 at高円寺SHOW BOAT



“Show Boat 16th Anniversary From PSF With Love”という企画名のライヴに行ってきた。
出演はデュオ編成の二組。
神経を集中してじっくりとステージに向き合える。



まずは初顔合わせの朝生愛&樋口寿人DUO。

朝生愛
朝生愛は今春リリースしたライヴCD『あいだ』(PSF PSFD-185 ↑がジャケット写真)も好評だが、
BORISの昨年のアルバム『Smile』に収録された「君は傘をさしていた」の作曲者ということで、
以前よりも知られるようになったと思う。
個人的に「君は傘をさしていた」は、
クロスビート誌の私的年間ベスト・セレクションの“ベスト・ソング”に選んだほど一生忘れない名曲である。

樋口寿人は99年からコンスタントに自主的な活動を行っており、CDも数枚リリースしている。
ぼくも米国のローレン・マザケイン・コナーズを思い出したりするが、
もっとずっとデリケイトな音と歌。
エキセントリックではないからこそ、やはり一度聴いたら忘れない。

朝生愛&樋口寿人DUOは二人ともエレクトリック・ギターの弾き語り。
それぞれのソロにもう一人が客演という感じのプレイあり、
一種のデュエットのようなセッションあり、
狂おしいエレキの掛け合いあり。
二人とも今にもこわれそうな歌声だが、
はっとさせられるほどの強い意志がひそかに宿っている。
こういう人たちの音楽はほんとうに大切にしたい。



続いて三上寛&今井和雄DUO。

三上寛
三上寛は71年のレコード・デビュー以来、フォークとも演歌(怨歌)とも呼ばれてきたが、
まさに日本ならではの“ブルース”と言いたい。
ど迫力の喉を震わせてきたが、
エレキで弾き語る90年代以降はファンキーでもある“ギター”もブルースと言い切りたいのだ。
今年も誕生日の3月20日にリリースした新作『-1』(PSF PSFD-8030 ↑がジャケット写真)も、
むろん絶好調である。

今井和雄は70年代半ばに音楽活動を開始。
ギターのインプロヴァイザーとして知られる音楽家だが、
観るライヴや聴くCDによってやっていることが違い、
特に音だけだとどうやって弾いているのかわからないほどユニークだ。
ジャズとしてロックとしてもグレイトなほど“外道”である。

三上寛&今井和雄DUOのライヴだが、
三上はいつものようにエレクリック・ギターを弾き語り、
今井はひたすらエレクトリック・ギターを弾きまくりであった。
新旧の三上の曲を織り交ぜたセットリストで、
“~ヌード写真に飛び散ったカルピス~”の歌詞で有名な三上版の「夢は夜ひらく」も披露。
基本的には原曲を尊重して歌われたが、
今井のギターが超インプロヴィゼイションだから一筋縄ではいかずにカオスの渦に見舞われた。

三上と同じステージで演奏するミュージシャンは三上を立てる。
たとえば灰野敬二にしろ石塚俊明にしろ、三上を立てる。
正確には三上の“唄”を立てる。
この日の今井も三上を立てたのだが、
ほとんどケンカ腰の音で容赦なくエレキを放射する。
時に物でギターをしばきながら、アナーキーなトレモロとでも言うべき演奏もしながら、
ギターという名のナパーム爆弾で波状攻撃と一斉攻撃を繰り返しているかのようだった。
今井の講師だった高柳昌行がエクストリーム・ロックになったようなギターでもあった。
そんな今井のギターで絡まれたからこそ、
三上の“唄”はますます強度を増したのである。

今井は足元のエフェクターをあやつりつつ動きまわらず、
まさに一心不乱にギターを
そういう今井の前に三上が寄っていって挑発するように不敵な表情を向けるなど、
ステージの見栄えも面白かったのである。

えらいもん観ちまったなぁ、と思った。



犯人がわかっている推理小説みたいなものではなく
何が起こるかわからないライヴだと足を運びたくなるのだ。





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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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