なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

RAMESSES『Take The Curse』

RAMESSES.jpg


ドゥーム・メタル帝王ELECTRIC WIZARDのオリジナル・リズム・セクションを含む、
英国のトリオ・バンドによる目下の最新作。
本国でのリリースは4月だった模様だ。

RAMESSESではベーシストではなくギタリストのティム・バグショーと、
ドラマーのマーク・グリーニングは、
4枚目のフル・アルバム『Let Us Prey』(2002年)まで、
つまり一番恐ろしい時代のELECTRIC WIZARDに在籍していた。
その後のELECTRIC WIZARDのサウンドを思えば、
“真性ドゥーム”の部分はその二人が担っていたとも思えなくもない。
ちなみにELECTIC WIZARDの5作目『We Live』(2004年)で叩いていたジャスティン・グリーヴスは、
現在CRIPPLED BLACK PHOENIXを率いている。


RAMESSESは細かい音源発表が多いバンドだが、
『Take The Curse』は、
シェーン・エンバリー(NAPALM DEATH)のFETOレーベルから2007年出した、
『Misanthropic Alchemy』に続くセカンド・フル・アルバムと言える。
クレジットによれば2008年8月録音。
とのことでドゥームな歩みで仕上げてリリースまでこぎつけたことがひしひしと伝わってくる、
煮込みと発酵を繰り返したような味わいのヘヴィ・ロックである。

ほとんどのパートがスロー&ダーク&ヘヴィの“ドゥームの三原則”にのっとっていながらも、
パワフルなロックであることが大前提の音。
ELECTRIC WIZARDのようなクサ臭さは薄いが、
逆に言えばハードコアなドゥーム・ロックとも言える。
ゆったりしたテンポには自信すら感じさせる堂々とした佇まい。
どんより澱んで侘び寂びが効いているにもかかわらずウジウジのドゥーム物とは違い、
曲によってはOBITUARYすら思わせるほど強靭なのだ。

それでもってアダム・リチャードソン(vo、b)のヴォーカルは、。
やわらかい歌唱からブラック・メタル風の呪詛のうなり声まで、
ナチュラルな歌心が息づく。
シンプルなテクスチャーながらも深いフックを増したソングライティングも光る。
ヴォーカル・パートも大切にしていてDOWNみたいなポピュラリティも十分の曲も披露する作りだが、
伝統的なブリティッシュ・ロックの流れをも感じさせる凛々しさが英国ならなのだ。


それにしてもRAMESSESの以前の作品もそうだったが、
今回もすんなり手に入りやすいとは言いがたいディストリビューションだ。
CRASS周辺の作品の再発盤/CDの発売で知られるSOUTHERN Recordsが配給している。
レーベル第一弾として出したRITUAL PRODUCTIONSはRAMESSESの運営ではないし、
ここ数年SOUTHERN Recordsはヘヴィ・ロック系もけっこう扱っているとはいえ、
そういう一見意外なつながりも面白い。


★RAMESSES『Take The Curse』(RITUAL PRODUCTIONS RITE001CD)CD
ブックレットの体裁ではないが、
いわゆるジャケットも含めて六面のインナーが二つ封入されている。
CDのプラスチック・ケースの特性を活かしたジオラマ風の裏ジャケットも興味深い。
約54分10曲入りの強力盤。


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コメント

一曲目から超凶悪!
じわじわと絞め殺されていくような圧迫感が凄まじいですね
終始落ち着きはらっていると言いいますか・・・決して焦らないところはさすがです
狭い部屋に蝋燭を灯しヘッドフォンでじっくりと・・・(笑)
それとアリ・アップが亡くなったことをようやく知ったのですがとても残念です
ご冥福を

ゾーン・トリッパーさん、書き込みありがとうございます。
ベテランならではの落ち着いたプレイがうれしいです。
音楽がしっかりしているから策を弄する必要がないというか。
彼らがシーンの中でどういうポジションにいるのか心配ではありますが、
あえて似たようなバンドとつるんでない印象も受けます。
RAMESSESも聴いていてアリ・アップもチェックしているのもうれしいです。
癌ということは、去年出したSLITSのアルバムを作っているときに“覚悟”を決めていたのかもしれません。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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