なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

PRAHA DEPART at 東高円寺二万電圧 1月23日

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東京拠点に精力的な活動を続けているPRAHA DEPARTが結成7年目にして決行した初のワンマン・ショウ。
これまでに4枚のCD-Rアルバムと2枚のCDアルバムを、
どこのレーベルにも所属せずに自主制作でリリースしてきている。

結成後の数年間、
カメヤツカサ(g)
ヤノマイ(vo)
ヤマモトジュンペイ(ds)
というベースレスのトリオで活動したあと、
ヤノがベースを手にして3年ほど活動。
昨秋CREEPY POPのヴォーカル/ギターだったハシモトカズヨシ(b)が加入し、
4人編成での初ステージから1ヶ月足らずでこの初のワンマン・ライヴに臨んだ。


会場の東高円寺・二万電圧は、
同じビルに入っていた居酒屋・石狩亭の大火災に伴うとばっちりも食らって閉店に追い込まれた
高円寺20000Vの“リメイク”ライヴ・ハウスである。
地下鉄丸の内線の東高円寺駅から徒歩2分だが、
JRの高円寺駅や中野駅からも徒歩15分弱で行けるし、
ドリンクの種類も豊富で追加オーダーはオール300円というのもうれしい。
それほど大きくないスペースだからワンマン・ライヴへのチャレンジの場にもいいかと思う。
対バンを観たくないから好きなバンドのライヴにあまり行かない人もいるだろうし、
新旧の曲がたっぷり聴けるワンマン・ライヴはファンが待望している。

この晩のワンマン・ライヴてでは、
今までのPRAHA DEPARTの集大成と新生PRAHA DEPARTの始まりを同時に体現。
満員のお客さんとともに素敵な時間を創造したのであった。
ギターとドラムだけの10分ほどインプロヴィゼイションと全員のアンコールも含めて、
90分以上繰り広げたパフォーマンス。
チャーミングな持ち曲がたくさんある好きなバンドはこれぐらいの時間聴いていたいのが本音だ。
個人的には音楽に憑かれて音楽に疲れている飽和状態の昨今、
解き放たれる感覚を味わうライヴなんてそうそうない。
音楽っていいなぁ~・・・とあらためて思ったしだい。
そもそも音楽で楽しむという感覚自体が麻痺しているからホントうれしい。


PRAHA DEPARTの音楽性は、
しいて言うならばオルタナティヴ・ロックというよりも
幅広い意味で“ポスト・パンク”という言葉の方が似合うと思う。
民俗音楽も含めて躍動する様々な音楽の息吹が聞こえてきて、
影響を認めているSLITSやビョークも頭をよぎるが、
ヤノが昨秋ヘヴィ・ローテーションにしていたBLONDE REDHEADやDEERHOOFもイメージする。

ジプシーを称えるようなヴィジュアルも鮮やかな、
カメヤのニューウェイヴ/ポスト・パンク全般を弾き出すギターが曲をリード。
ステージ左で叩いたヤマモトのドラムはNOMEANSNO大好き!なパンク・ロック趣味炸裂で、
数メートルのところで観ていたことも相まってハードコア級のダイナミックなビートが迫ってきた。
さらにハシモトのベースで浮遊感が恐ろしいほどプラスされている。
ベースレス時代のライヴでは“すき間”が心地良かったし、
ヤノがベースを弾いていたライヴではそのミニマルな音も心地良かった。
けど今のPRAHA DEPARTは“最強”という言葉を使いたくなるほどパワフルだ。
専任ベーシストが入ったことでドラムがより強靭になっているし、
音の鳴る空間が無限に広がってスケール五割り増し!なんである。

ヤノのヴォーカルとパフォーマンスにもあらためてヤられた。
ベースを弾きながら歌っているときもカッコよかったが、
シンガー専任になったステージを観て、
彼女は踊りながら歌ってこそ本領を発揮するとあらためて確信した。
この日は第一部と第二部の間でちょっとした衣装変えも披露し、
種々雑多な民俗のヴァイブレイションがあふれるヴィジュアルも鮮やかで撃たれた。
なにしろ活き活きしている。
いい顔をしている。
今まで何度も書いているが、
彼女ほど思い切りのいい歌いっぷりのシンガーをぼくは世界的にあまり知らない。
歌ものの曲にも痺れるのも喉に力があるからだ。


PRAHA DEPARTによこしまな心がゼロと言わないが、
邪心なく伸び伸びとやっているところにぼくは惹かれる。
途中で弦楽器隊がギターとベースを放り出して踊りながら打楽器を鳴らし出すところなど、
あっけにとられながら引き込まれるのだ。

なにしろ押しつけがましくなく楽しませる。
いかにも“みんなで盛り上がろう!”みたいなお祭りノリの音楽は、
余計なお世話で逆に気分が落ちるぼくだが、
PRAHA DEPARTはクールな佇まいで適度な距離感をキープしているから居心地がいい。
独立した活動をしているバンドならではだと思う。
ダンスを強要なんかしなくても音楽そのものに力があるからこっちも自然と揺らしていくのだ。


PRAHA DEPARTは3月にニューヨークで3回のライヴを決行する。
80年代以前と違ってもはや海外でのライヴが珍しいわけではないが、
いまだ70年の日本のフォーク/ロックの体質を引きずる内向き志向のバンドも日本に多いだけに、
やっぱりたのもしい。
もちろんDIYツアーだ。
これまでのCD-R作品やCDのジャケットなどチャーミングなアートワークも自家製。
この日の来場者に配られたトリオ編成時代の最後デモというペンダント仕様の4曲入りCD-Rの盤面も、
しっかりとデザインされていた。
PRAHA DEPARTは手作りのスタンスで一歩一歩活動フィールドを広げていく。
ぼくは次のアルバムが楽しみで仕方がない。


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コメント

さ、最強ですか!?あのプラハデパートが最強状態・・・
想像しただけで鳥肌が!!彼らのような越境音楽者が
海外にも目を向けているのは本当に頼もしいですよね
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
BORISもいよいよメジャー進出ですね
今の彼らの勢いには圧倒されっぱなしです
そんな彼らも出演するI'LL BE YOUR MIRRORの
豪華すぎるラインナップにヨダレが止まりません(笑)

ゾーン・トリッパーさん、書き込みありがとうございます。
プラハデパートは、よりロックになっていて、ますますぼく好みになっています。強靭!って言葉がとてもよく似合うバンドで、他のバンドやシーンとの距離感などの活動スタンスも好きです。
個人的に付き合いが長いだけにBORISもがんばってほしいです。ヘヴィ・ロックだけでなく色々な方向性を持つバンドだし、昔から接してきたアツオくんの性格や考え方を思えばメジャー・レーベルも意外ではなかったです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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