なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

the 原爆オナニーズ、奇形児、WATER BED 2月19日at新大久保EARTHDOM

EARTHDOM205th20anniversa#7061
新大久保のライヴ・ハウスEARTHDOMの5周年記念企画の一環である“RedDyed #22”のライヴ。
たくさんのお客さんが集った中で19時過ぎから3時間ほど繰り広げられたが、
3つだと個々のバンドのたくさんの曲が聴けてじっくりと向き合えるから長丁場でも意外と疲れない。


waterbed.jpg

トップはWATER BED。
ジャジャ(vo)を観たのは青木マリのバンドのベーシストとしてのステージ以来で
(注:WATER BEDのドラマーの柿沼州治もそのバンドで叩くこともある)、
かなり久々だ。
個人的にはニコニコしながら自転車に乗っている姿を数年前に見かけた時の、
なんとも言えないピースな佇まいを思い出した。
ブルースやファンクも取り入れたようなサウンドとはいえレイドバックし切らず、
LIP CREAMやJUDGEMENTで歌っているときの何倍もフリーなヴォーカルで加速。
鉄アレイでのドラミングとは一味違うクールな柿沼のタイトな演奏が全体を引き締めていた。


螂・ス「蜈神convert_20110217135455

奇形児はヒロシマ(ds)が去り、
80年代からのメンバーがヤス(vo)とヒロシ(g)だけになってからは初めて観た。
新ベーシストとキーボード奏者が加入してまもない頃のライヴを観たときは複雑な気分になったが、
今年の私的ベスト・ライヴのひとつになるほど過去の思いを吹っ切れたグレイトなステージだった。
セットリストのほとんどを、
新曲オンリーのファースト・アルバム『頭を丸めて今スグ出家しろ! 念仏唱えて自らを葬れ!』で固め、
それが当然のパフォーマンスだ。
本編では「TOKYO ROCK'N DOLL」、
アンコールではヤスが奇形児以前のPSYCHI時代から歌っている「白痴」も披露したが、
昔の曲を入れる余地がないほど新曲がリアルに迫ってきたのである。
ファンクだろうがレゲエだろうがLED ZEPPELIN風だろうが現在進行形の奇形児以外の何物でもない。
さらに深いところ進んでいる奇形児に惚れ直した。

新ドラマーのスドウは“奇形児のイメージと合わない”と勝手に考えていたが、
最近はLOUDSでも叩いているとはいえ今までやってきているバンドの中で一番ハマっている。
スドウがロックなドラマーだと初めて気づいたし、
だからこそ初期に在籍していたMELT-BANANAを去ったとも想像できた。
プロレタリアート本間のキーボードもいい味を出していたし、
“オリジナル・メンバーのタツシ以外はありえない!”と個人的に固執していたベースも
ツージーが渋くキメていた。
アルバムではソングライター&プロデューサーとしての才覚が光っていたヒロシは、
メンバー全員を目と耳で捉えながらぐいぐい引っ張るステージングをしながら、
シャープかつ艶やかなギターを引き出していてカッコよかった。

そしてぼくはヤスの歌声に感動した。
今までも痺れてはきたが、
この日ほどヤスのヴォーカルに歌心を感じたことはない。
卑屈根性でクダを巻く輩とは次元が違う凄みで、
特にヒロシのコーラスもリアルだった「どうしようもないさ!」と「嘆きのユートピア」といった、
ミディアム~スロー・テンポで静かめの歌ものナンバーでの生々しい色気に息を呑んだのである。


原爆

原爆オナニーズは昨年3月に最新アルバム『SOLID』をリリースしてからは初めて観たが、
奇形児とは別な意味でびっくりして腰を抜かしかけた。
サウンドが正真正銘ソリッド!だったのである。
音そのものが高速で回転しながら襲い掛かってくるようなライヴで目が覚めた。

タイロウ(vo)、エディー(g)、ジョニー(ds)、シノブ(g)の編成でのステージも初めて観たが、
やっぱりこの4人でしょ!と思った。
80年代からずっと弾いてきたシゲキが2000年代の頭に脱退してから、
Hi-STANDARDのメンバーとして知られる横山健も入り、
その後は雷矢での演奏で知られるシンジもギターを弾く体制で、
メンバーのプライベート等の都合で時と場合によって4人編成と5人編成でのライヴがあった。
でもぼくはずっと「ギターはシノブだけではダメなんですか?」とタイロウに言ってきた。
原爆オナニーズのストイックな音楽的特性を考えればギタリストは2人も必要ないと思っていたし、
ギターをシノブに絞ればさらに原爆オナニーズを前進すると直感していた。
まさに、果たせるかな!であった。

バンド自体と同じく贅肉を削いだようにも見えたヴィジュアルのエディーのベースが殺人的で、
ジョニーのビートやシノブのリズム・ギターと固まりになってきて打ちのめす。
一つ一つの響きが灼熱だし加速している。
歌っているときはよく動くタイロウがアットホームなMCを随所に入れる恒例のライヴ構成とはいえ、
冒頭と“第二部”でやったお馴染みの昔の曲もスピード・アップしているし、
“第三部”でやったお馴染みのカヴァーもスピード・アップ。
歳喰うごとに激しく速くなっていて恐るべしなのだ。

ぼくが凄ぇ…と溜め息をついて見とれながら体を動かしていたのは、
『SOLID』の曲などのここ数年の曲。
まるでCONVERGEDILLINGER ESCAPE PLANをパンク・ロックとして消化したような曲なのだ。
たとえ個々のメンバーがそんなにチェックしてないとしても、
現在進行形の内外の“進化形バンド”を積極的に聴いているタイロウの意志が伝わっている。
常に“伝統的でありながらも最新型”の原爆オナニーズの真骨頂で世界的なレベルで見ても他にない音。
内向き志向に陥りがちな“日本のロック”のジャンルのバンドともやっぱり一線を画している。
この晩の個人的な白眉は昔の曲を続けた“第二部”の2曲目にやった、
89年のアルバム『G.H.Q.(GENBAKU HEADQUARTERS)』の収録曲「ピ・ポ・パ」。
プリミティヴなビートで始まりハードコア・パンクに流れてOi!パンクへと進む異色の曲で、
タイロウのMCによれば原爆オナニーズ史上ライヴで1~2回しかやってないらしいが、
現在の彼らの“カオティック・パンク・ロック”な方向性の原型を見るようで興味深かったのである。


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コメント

名古屋発、No2のゴージャスパンクバンド

どうも初めまして!リメと申します。

来る2011・8・28、名古屋・大須ellSIZEにて’theバーナムtypeCHIEXS!'のライヴあり。

原爆に次ぐ年齢AV、’theバーナム’初期音源を元にしたゴージャスパンクバンドです。*継続性あり。

私のリスペクトベーシスト原爆EDDIEが参加してます。
よろしければ詳細お知らせします。

リメさん、書き込みありがとうございます。
ぼくは東京在住で名古屋まで見に行くのはきついのでパスさせてください。
EDDIEさんのベースは個性的でカッコいいですね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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