なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

NUCLEAR FAMILY『Nuclear Family』

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女性ヴォーカルを擁したニューヨーク州オールバニ拠点のメロディアスなパンク・ロック・バンドが、
2009年のデビュー7”EPに続いて昨年の終わりにリリースした初の12”レコード。
収録曲が8曲とはいえファースト・アルバムと言えるヴォリュームだし、
これまた素晴らしい作品だ。

元LOS CRUDOSのマーチンが歌うLIMP WRISTやACID REFLUXで叩いてきているドラマーも在籍だが、
ハードコア・パンク・スタイルではない。
全曲アップ・テンポのピュアなパンク・ロック。
AVENGERSや初期のX(LA)などの70年代末のカリフォルニアのバンドや
GORILLA ANGREBやMASSHYSTERIなどの2000年代以降の北欧のバンドを思い起こす、
まっすぐな疾走感のパンク・ロックだ。

粗削りで艶やかなギター、
ALLのカール・アルヴァレスがまっすぐになったみたいに動くベース、
絶妙のスピード感のエイト・ビートのドラムといった、
演奏陣の慎ましやかな自己主張もたまらない。
ダンスしながら突き抜けているような歌唱のヴォーカルは、
LAのXのイクシーン・サーヴァンカやGORILLA ANGREBのメイも思わせる。
“核家族”を名乗るバンドだけに人間関係や日常生活を歌っているような歌詞が大半だが、
シンプルな言葉で深く綴る。
どこもかしこも切なくて胸が締めつけられる。

“パンクってのは新しいことをやるアティテュード”みたいな言い訳の下に
浅はかな戦略やイージーなキワモノに走るバンドもいる。
NUCLEAR FAMILYはアートワークも含めてヴィジュアルが地味なバンドだが、
丹精込めて書いた楽曲とビシッ!としたパフォーマンスと凛とした響きから音楽への愛があふれている。
虚飾も虚勢もないリアルな音と歌だからじわじわと染み入ってくる。

ダイナミックで彫りが深く生々しいサウンドを出す最高のフォーマットと言い切れる、
45回転の12”レコードの特性を活かした音質もパーフェクト。

こういう作品と出会うからこそパンク・ロックの“魔法”を信じられるのだ。


★NUCLEAR FAMILY『Nuclear Family』(LOUD PUNK LOUD 17)LP
歌詞などで彩ったインナー付。
ゲイっぽい同名のバンドも存在するので注意。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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