なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Lew Lewis 3月18日at下北沢GARDEN

Lew Lewis1


アルバム・デビュー前のEDDIE and The HOT RODSのメンバーで
パンク・ロック前夜のパブ・ロック界の“裏番長”として知られるシンガー/ハーピスト、
ルー・ルイスの奇跡の初来日公演初日に行ってきた。


中吊り広告等が一切省かれた電車に乗って電灯も控えめになった街・下北沢のGARDENへ。
場内では大震災に伴う節電のため最低限の照明で行なわれる旨のアナウンス。
開演前にサポート・アクトのMAMORU & the DAViESのマモル(元グレイトリッチーズ)が登場し、
まだ運行時間が不安定な電車の終電を考慮して自分たちが後に演奏することをお客さんに伝える。
続いてルー・ルイスのバンドを招聘したヴィニール(・ジャパン)の社長が音頭をとって1分間の黙祷。
別な意味での緊張感が漂って身が引き締まり様々な意味で感謝の気持ちを持ってライヴに臨む。

シンディ・ローパーの来日公演は行なわれたらしいが苦渋の中止の決断が下されたライヴが続き、
個人的には大地震の余波で3本が延期になって10日ぶりのライヴということも重なり、
パワーをもらった最高のパフォーマンスだった。


まずバンドの演奏が素晴らしかった。
ギターは84~85年頃にEDDIE and The HOT RODSのメンバーだったウォーレン・ケネディ
(元DEENO’S MARVELS。そのメンバーで兄弟のディーンはDr. FEELGOODのツアー・マネージャーを務め、
日本公開間近の映画『ドクター・フィールグッド~オイル・シティ・コンフィデンシャル~』にも登場)。
ベースは
全盛期を支えたDr. FEELGOODのオリジナル・メンバーであるスパルコことジョン・B・スパークス。
以上の2人はつながり的にわかるが、
ドラムは何と結成時からCHARLATANSのメンバーのジョン・ブルックス。
単なる歌の伴奏に終わらず自己主張もした役者揃いのメンバーならではの息の合ったプレイで、
R&B~ロックンロールのツボを心得たスピード感とグルーヴ感の生き生きした音で目を覚ます。
ルー・ルイス+バック・バンドではなく、
やはり“Lew Lewis BAND”なのである。


それにしてもルー・ルイス、かっこよすぎる。
初老のヴィジュアルとも言えるが、
いまだリアルな不良・・・否、ワルのオーラを放ち、
シンプルなライティングも奏功した本物の無頼の佇まいで圧倒する。
むろん観客を前に悪態をつくなんて子供じみたことは皆無。
スタンディング・マイクの前で落ち着き払ったステージングを展開。
70年代のスマートなヴィジュアルではないが、
白髪とサングラスもクールだった。
粋というのはこういうことだ。

メンバーとのコンビネーションも抜群で、
どの曲でも歌の合間に必ずシャープなブルース・ハープを入れまくるその楽器さばきもクール。
不思議に軽妙で滋味深いヴォーカルも勢いがある。
つんのめりそうなほどの歌声だ。
リリースしたオリジナル・アルバムは、
LEW LEWIS REFORMER名義での『Save The Wail』(79年)の1枚のみであるにもかかわらず、
誰よりもパブ・ロックを体現し続けていることを観ている誰もが肌で感じたことだろう。

変わってない。
だが停滞していない。
NoProgressの音楽を硬質に突き詰めている。
“オイタ”が過ぎてコンスタントな活動がままならなかったとはいえ、
おのれを研ぎ澄ましていてストロングだ。
レイドバックなんて言葉とは無縁で熱い。

「Boogie On The Street」をはじめとするルー・ルイスの代表曲の数々に加え、
ウィルコ・ジョンソンもライヴでやり続けているDR. FEELGOODの「Going Back Home」も披露。
2回のアンコールを含めて約80分。
このバンドでのレコーディングを熱望するのはぼくだけではないはずだ。


個人的には重い気持ちを多少なりともリフリッシュできて明日につながった。
こういう状況だからこそ、
行ける余裕があって迷っている方は観ておくことをオススメする。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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