なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

OBSCURA『Omnivium』

OmniviumRGB.jpg


2010年のエクストリーム・メタル・イベントの“エクストリーム・ザ・ドージョー Vol.25”に
NILEやTRIPTYKONと共に出演した、
ドイツのデス・メタル・バンドのサード・アルバム。
そのライヴのときは欠席した、
Jeroen Paul Thesseling(イェロエン・ポール・テッセリング/b~PESTILENCE)も参加している。

ブラスト・ビートを交えながらメロディアスでもあり、
戦闘的な音の乱射と繊細な旋律のブレンドが本作の持ち味。
猛獣のようなブルータリティで押すのではなく
いい意味で優雅な薫りも漂うヨーロピアン・テイストで、
静かなパートはOPETHのようでもある。
いかにもの死体ものとは違うシンボリックなアートワークも象徴的だ。

スロー・パートを含んで粘っこくも荘厳なムードも漂い、
AT THE GATESや中期CARCASSも頭をよぎる流麗な演奏のみならず
ジャズ・ロック風のギター・ソロも挿入する。
といっても近寄りがたいほど小難しく聞こえるアプローチとは一線を画し、
ツボを心得た曲で引き込んでいく。
手数足数で圧倒せず適度に隙間があるリズムで抜けのいいビートのドラムも好演である

ファースト・アルバム『Retribution』(2006年)の2010年のリイシュー盤には、
DEATHSUFFOCATION、MORBID ANGELのカヴァーが加えられ、
さらにその日本盤はBEHEMOTHとVADERのカヴァーもボーナス・トラックになっていた。
カヴァーしたバンドのセレクションから察せられる音楽性と言えると同時に、
今回の日本盤に追加された
CACOPHONY(マーティ・フリードマンがMEGADETH加入前にやっていたバンド)の
シンフォニック・インスト・ナンバー「Concerto」のカヴァーもハマっているのだ。

ほとんどがデス・ヴォイスとはいえ噛みしめて解き放たれる歌詞は英語。
ホラー映画的な内容ではなく
地球に立つ人間の視点でリアリステックに描いている。

米国産によくあるゴリ押しサウンドとは一味違うバランス感覚十分の取り組みの作りは、
政治や国民性などと同じく欧州のバンドならでは。
風通しのいい音から光が差し込む“プログレッシヴ・デス・メタル”の好盤である。


★オブスキュラ『オムニヴィウム』(リラプス・ジャパン YSCY-1206)CD
日本盤ボーナス・トラックを1曲追加して本編の歌詞の和訳が付いた約59分10曲入り。
特殊な加工が施されてイイ匂いもするブックレット付だ。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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