なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

橋本美香『グレイトフル・デッドを聴きながら』

橋本美香


制服向上委員会のリーダーだったシンガーが約10年ぶりに出したセカンド・ソロ・アルバム。

灰野敬二がヴォーカリストとして参加していたLOST AARAAF(ロスト・アラーフ)のドラマーだった、
高橋廣行が例によってプロデュース。
PANTAが4曲で作曲しており、
橋本も6曲で作詞や作曲をしているからシンガーソングライターと言える。

前半はシンプルなギターをバック歌うフォーク風、
後半はバンド風サウンドでポップス調が中心の構成で、
曲によって橋本がパーカッション、カズー、鍵盤ハーモニカ、ギターを演奏している。
コンピューターも用いられているが、
いかにもの打ち込みではなくささやかな使い方だ。

橋本が好きなアーティスト50のリストがブックレットに載っているのだが、
60年代以前にデビューした英語圏のポピュラー・ミュージックの人がほとんど。
クレモンティーヌが浮いていてクラシックのショパンとモーツァルトの名も挙げている。

前半は外国のフォーク・ミュージックを日本語の歌で解釈したかのような曲が多い。
70年代っぽいといえば70年代っぽいが、
日本のフォークに近いようで
あそこらへん特有のベタベタした感覚は皆無。
いい意味でポップなのだ。
クールな空気感が橋本ならではだし現代的だから聴いていて居心地がいい。
後半は60~70年代の歌謡ポップス風のアレンジでもあるが、
やっぱり曲はフォーク・ミュージックをベースにしているように思う。

いわゆるメッセージ・ソングも歌っているとはいえコテコテではなく普遍的で、
ポジティヴ・ソングも押しつけがましく聞こえない。
ラヴソングというより“恋の歌”と呼びたい曲の数々と同じ次元で
さらっと歌い切っている。

31歳の大人の女性ならではと言える歌い口がまぶしい。
橋本が作詞作曲した特にポップな「HEY! HEY! HEY!」が一番好き。
今のパンク/ハードコアやロックの方面にも別なニュアンスでピュアな女性シンガーはたくさんいるが、
時代に流されないまっすぐな歌声が国内外問わず貴重だ。
すっぴんのヴォーカルに引き込まれる。


★橋本美香『グレイトフル・デッドを聴きながら』(アイドル・ジャパン IJRM-0053)CD
クレジット上は14曲入りだが実際は16曲収録されている約68分の力作。
16ページのブックレットには歌詞などに加えて
プロデューサー高橋の曲解説やPANTAらのライナーも載っている。
南正人もハーモニカで参加しているようだ。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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