なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

EYEHATEGOD『Live』

EYEHATEGOD.jpg


80年代の末から活動している
米国ルイジアナ州ニューオリンズの“スラッジ・コア・キング”のライヴDVD。
日本製のDVDプレイヤーで見ることが可能だ。

2010年6月の米国オハイオ州クリーヴランドにおけるステージの12曲、
2009年10月の米国メリーランド州バルチモアにおけるステージの10曲、
2010年4月のオーストリアのウィーンにおけるステージの3曲、
ミュージック・ヴィデオ3曲で構成されている。
みな数台のカメラでの撮影だが、
映像の画質/編集や音質それぞれ違いがあって多角的に楽しめる構成だ。
全28曲ほとんど曲のダブりがない編集も特筆すべきだろう。


DOWNではドラマーのジミー・バウアーがギターを弾くリーダー・バンドである。
EYEHATEGOD加入前の80年代末から
カオティック・サザン・グラインド・コア・バンドSOILENT GREENをやっている
ブライアン・パットンもギターを弾いている。
セカンドの『Need To Control』にゲスト参加してもらったBRUTAL TRUTHのケヴィン・シャープによれば、
マイク・ウィリアムズ(vo)も自分と同じく家庭/子供を持ったそうだが、
どうしてどうしてヘイト・アティテュード健在だ。

同郷のアーロン・ネヴィルと同じく
EYEHATEGODのメンバーもハリケーン・カトリーナでかなりボロボロになったようだが、
ベクトルは違えども“復興後”のパワー全開の雄姿が収められている。
初期BLACK SABBATHとサザン・ロックと
『My War』の頃のBLACK FLAGやメタル・クラスト・パンクのハードコアを漬け込んだ、
ぬかるみのヘヴィ・リフでぐいぐいぐいぐい押していく。
90年制作のファースト・アルバム『In The Name of Suffering』の1曲目の
ハードコア・パンク・チューンの名曲「Depress」もやっている。
欝が躁に転化した開放的なパワーに目が覚める。


どのライヴも全体の流れを寸断する言い訳じみたMCはあまりなくクールなプレイに貫かれ、
ステージングがカッコいいのは言うまでもない。
淡々としているようで
一音一声を丹精込めて観客に発していることが静かなる動きからも感じられるのだ。
クリーヴランドのライヴは白黒映像と青を基調にしたカラー映像で迫る。
個人的にはバルチモアでのライヴがトータルで一番好き。
70年代ロックっぽい無作法な映像と音質で生々しくダイナミックで、
EYEHATEGODのヤバさが浮き彫りになっており、
ぼくの知る限り彼らのベスト・パフォーマンスの一つだ。
オーストリアのライヴも酩酊な映像仕上がりと硬質な音でイケる。

3曲のミュージック・ヴィデオは、
演奏シーンもはさみこみつつ
ほとんどがモノクロの様々な映像のコラージュで彩られている。
昔のニュース・フィルムのような生々しさの中に
EYEHATEGOD流のネガティヴ・メンタル・アティテュードが息づき、
底を見た者たちならではのダークなプラス思考の光を放つ。

マムシ漬けのアルコールで醸造したみたいなリフとヴォーカルがあっけらかんとしていて、
生きる意欲が湧いてくるのであった。


★EYEHATEGOD『Live』(MVD VISUAL MVD5145D)DVD
インナー・シート付。
ファン必携である。


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コメント

初めまして

初めて書き込みします。
行川先生の「パンク•ロック/ハードコア史」
大変興味深く読ませていただきました。
パンクやハードコアの歴史、進化の過程など
「そうやったのか!」と思うネタが沢山あり
本当に一気に読み上げてしまいました。
色んなバンドの音楽、社会、宗教に対する姿勢はすごく勉強になりました。
このような本に出会えて本当に嬉しいです!

これからも行川先生のディスク紹介楽しみにしてます。
頑張って下さい!


私も山崎氏のブログで知って、入手しました。
EYEHATEGODのDVDは『LIVE IN JAPAN』を探しています。
行川さんは持っていますか?

書き込みありがとうございます。

>chumbaさん
そういうふうに読んでいただけると書いた甲斐があったというものです。元気づけられます。
編集担当の方が関して素朴に知りたい事項を提示してくれて、それを書いていきました。ディスク紹介ではフォローしにくい、パンク・ロック/ハードコアの広く深い世界を感じてもらえたらうれしいです。様々なものとリンクしているのですね。

>NAZIMさん
記録用として一台のカメラでライヴを撮影していることも多いので、そのタイトルのDVD(-R?)が存在しているとしたら日本公演のときのものが流出したものかもしれませんね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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