なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

CATHEDRAL at 渋谷クラブ・クアトロ 4月20日

Forest of Equilibrium


英国出身の“ドゥーム・ロック・バンド”が2日間行なった日本ツアーの2日目を観てきた。
もう一枚アルバムのスタジオ・レコーディングをしてバンドが終結するとのことで、
これが最後の日本公演になりそうということもあってか会場は超満員にふくれあがった。

“ラウド・パーク”出演時のライヴは他のバンドのインタヴューと重なって観られなかったから、
かなり久々のナマCATHEDRAL。
個人的にはBRUTAL TRUTHとも対バンした93年の初来日公演に次ぐ印象的なライヴだった。


キーボード奏者をゲストに迎えたステージで、
ギャズ・ジェニングス(g)とブライアン・ディクソン(ds)は安定した演奏を展開し、
15年以上ほぼ活動を共にしたレオ・スミーの脱退の穴を感じさせなかった。
いや、それどころか・・・というパフォーマンスだったのである。

アルバムのレコーディングはしてないとはいえ95年前後にベーシストだった、
オリジナル・グラインド・コア・バンドのREPULSIONのスコット・カールソンが今回復帰。
これがまたヴィジュアルもひっくるめて猛烈にカッコよかった。
アメリカ在住の人だけにパーマネント・メンバーとして続けていくのは難しかったそうだが、
リー・ドリアン(vo)が熱望したのも納得だ。
グラインド・コアの核になったゴリゴリのベースの創始者でもあり、
「Midnight Mountain」や「Ride」などのアップ・テンポの曲ではグラインドするベースがハマりすぎ。
一方でファースト・アルバム『Forest Of Equilibrium』(91年↑の画像がジャケット)収録の、
永遠のドゥーム・チューン「Ebony Tears」のべヴィ・ベースの色気もたまらなかった。
CATHEDRALのラスト・アルバムでも弾いてほしいと願うのはぼくだけではないだろう。


活動家出身のリーを意識して書くとするならば、
昨年の『The Guessing Game』の収録曲「Journey Into Jade」は、
やっぱりCATHEDRALの“総括”だった。
様々な思いが去来する中でぼくは観ていた。

マット・パイク(ASBESTOSDEATH~SLEEPHIGH ON FIRE)と並んで、
リー・ドリアンは音楽的にも思想性にも特別なシンパシーを覚えるミュージシャン/アーティストだ。
ポリティカルなパンク/ハードコア・シーン出身で音楽的に“メタル”な方向に進んだところもその一つ。
いい意味でそういった“お里”を隠せないことはこの日のステージでも感じた。

他のメンバーも含めてCATHEDRALはキャラ的にもメタルメタルしてない。
特にリーは伝統的なヘヴィ・メタル/ハード・ロックの豪腕の喉から大きく逸脱し、
アナーコ・パンクとクラスト・パンクのメタル・ブレンドみたいな歌唱をキープ。
22年間CATHEDRALをやってきて“grow up”と対極なのも凄い。
そんなヴォーカルがこの日もステージにフリーキーな渦を巻き起こした。
ドゥーム・ロックを標榜しつつ実際モロそれっぽいアルバムはファーストぐらい。
いやファーストを筆頭にCATHEDRALはいつだって“畸形”だった。
ピッタリしたシャツゆえに多少腹が目立ったとはいえ一時期よりは痩せたと思われる
リーの奇怪なステージ・アクションも健在。
お客さんを盛り上げるための手拍子がサマになってないのも実は嬉しい。


去年の私的ベスト・アルバムの一枚である『The Guessing Game』の曲をもっと聴きたかったが、
日本公演はこれが最後の可能性が大だから過去のアルバムからまんべんなく披露したようである。
まだまだパワー・アップできる余地を残したスロー・ナンバーも含みつつ、
ノリのいい曲が多めの約100分。
まだ終わってはいないが、
CATHEDRALを見届けられた気がする。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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