なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

VACCINES『What Did You Expect From The VACCINES?』

VACCINES-AW_Japan_Jpeg.jpg


昨年6月結成の英国の4人組“ザ・ヴァクシーンズ”によるファースト・アルバム。

いわゆるUKロックのカテゴリーに入りそうではある。
その手のものを先導する一方で
80年代以降パンク/ハードコアもヘヴィ・メタルもほぼ黙殺してきた英国の“差別的”老舗音楽紙NMEが、
いくら絶賛しようが知ったこっちゃない。
英国では今年に3月発売ということで結成9カ月でのアルバム・リリース。
ロンドン出身。
ってな個人的な“ネガティヴ条件”が揃っていて聴く前はテンション下がったが、
これはイケる。
“UKロック横丁”をはるかに越えてアピールする外向きのエナジーを発しているのだ。


デリケイトな紙質の8ページのブックレットには女性がデザインされているが、
男性4人組。
ノイジーなギター抜きのJESUS & MARY CHAIN……にしては、
自分の靴を見つめるシューゲイザー・ステージングでなくしっかりと前を見て演奏してそうなサウンド。
『Subterranean Jungle』までのRAMONES……にしては、
速い曲がそれほど入っているわけでもないしパンク・ロックと書くと言いすぎだろう。
要はBEACH BOYSっぽいのだが、
ほとんどコーラス抜きだ。
RADIOHEADのエンジニアも務めたダン・グレッチのプロデュースも手伝い、
50年代のロックンロールと60年代のポピュラー・ミゅージックと70年代のパワー・ポップを
ジャングリーな音作りで仕上げたみたいな“スイーツなロックンロール”である。
天然の甘いサイケデリック感覚も香り立つ。

ジャスティン・ヤング(vo)は2007年ごろからシンガーソングライターとして活動していたらしいし、
演奏陣も初心者ではないようだ。
“GENERATION X meets 初期JESUS & MARY CHAIN”なドラムのゆるさが絶妙で、
ノイジーに走らず軽いリヴァーブ中毒なギターもオーガニック仕上げで気持ちいい。
リアム・ギャラガーみたいにふてぶてしくはないが、
しっかりした発声だからヴォーカルにも自信を感じさせる。
大半がラヴソングだろうが、
情景が見えてくる映画みたいな歌詞の綴り方も良。
ドラマチックなアルバム本編の構成力も見事だ。
ピアノとヴォーカルだけのシークレット・トラックを聴いていると可能性は大きそうである。

日本盤には、
60年代のLAのガレージ・パンク・バンドであるSTANDELLSのカヴァーも追加されている。
MINOR THREATもやっていた「Sometimes Good Guys Don't Wear White」のライヴ・テイクだ。
MCでフェイヴァリット・ソングと告白しているように、
なかなか気合が入っているプレイ。
他のボーナス・トラック3曲も本編とは違うミックス/マスタリングになっており、
ちょっぴり尖った音の仕上がりが魅力だ。

OASISの初来日公演を超ギューギューの渋谷クアトロで観たときの“何かが起こる感触”が蘇ってきた、
というのも過言ではない。
イギリス好きにはイングランド臭さがたまらない一枚。


★ザ・ヴァクシーンズ『ワット・ディジュー・エクスペクト・フロ
ム・ザ・ヴァクシーンズ?』(ソニー・ミュージック・ジャパン・インターナショナル SICP 3080)CD
日本盤は歌詞とその和訳付で、
さらに本編とはダブらないボーナス・トラック4曲を追加の15曲入り。
本編約33分で日本盤はトータル約47分だ。


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コメント

Hate Eternalも出ましたし、AutopsyとMorbid Angelも新譜が控えてますね。
行さんはデスメタル、ブラックメタルをいつ頃からフォローしてきましたか?

あ、すみません・・・
KRALLICEのとこに書こうとして間違えました・・・

としかきさん、書き込みありがとうございます。
ブラック・メタルを認識したのはBURZUMとEMPERORがトイズファクトリーから発売されたとき、つまり90年代前半ですかね。
デス・メタルをいつごろかわかりませんが、NAPALM DEATHのメンバーがやっているという流れでCARCASSはファーストからリアル・タイムで聴いていました。ただ当時はグラインド・コアとして聴いていました。デス・メタルを認識したのはMORBID ANGELやOBITUARYのファーストが出た頃、80年代末ですかね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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