なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

KRALLICE『Diotima』

Krallice-.jpg


CROM-TECHやORTHRELMなどで激烈変態ギターを震わせていたミック・バー(g、vo)と、
RELAPSE Recordsからも出しているDYSRHYTHMIAにも在籍するコリン・マーストン(g)が、
ニューヨーク・シティで始めた“プログレッシヴ・ブラック・メタルバンド”の2年ぶりのサード。


前記の主要メンバー2人のお里が邪悪極道メタルではなく、
どちらかといえばオルタナティヴ・ロック畑ならではの音ではある。
もともとメタリック・ギターを弾いてない二人がブラック・メタルをやれば、
その筋から村八分になりかねないサウンドが出てくるのも必然だろう。
BURZUMのような筋金入りからしたら邪道になるのかもしれないし、
凍てついた空気感ながらもアメリカ産ならではのドライなブラック・メタルでもある。
といってもシューゲイザー・ブラック・メタルのようには軟化せず、
ブラック・メタルをアップデートしているのだ。

最初から最後まで“ウォール・オブ・サウンド”だが、
ギター2本、ベース、ドラムの各パートが混ざり合っていく様子が目に浮かぶような音像で、
執拗に音が連続しながら高みにのぼっていく。
ブラスト・ビートとトレモロ・ギターを多用するが、
前2作よりもそれらに頼らず多用なフレーズやリズムを持ち込みつつ音がほとんど途切れず、
複雑に絡まり合いながらメロディックに邁進するサウンドだ。

もともと曲が長いバンドで本作は中盤が12分以上の曲の4連発だが、
今まで以上に緻密な曲作りが光って時間の長さを感じさせないし、
全曲に言葉数が多い歌詞がある。
二人が取っていると思しきヴォーカルは、
ブラック・メタル特有の金切りスクリームといわゆるデス・ヴォイスの二刀流も特徴。

コリンが手掛ける録音とミックスとマスタリングによって
一般的なブラック・メタルの邪悪な音作りとは一味違うプログレッシヴな質感に仕上がっている。
歌詞もプリミティヴなパフォーマンスとオーガニックな音にふさわしい内容。
これもまたヘヴィ・ミュージック進化形である。


★KRALLICE『Diotima』(PROFOUND LORE PFL 076)CD
最近よくある小さい文字で歌詞が内側に印刷されている三面デジパック仕様。
約69分7曲入り。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/444-03d0e472

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (291)
映画 (254)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (47)
PUNK/HARDCORE (413)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (94)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (121)
FEMALE SINGER (42)
POPULAR MUSIC (25)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん