なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

IRON MAIDEN『From Fear To Eternity The Best Of 1990 - 2010』

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80年代以降の英国を代表するヘヴィ・メタル・バンドの、
タイトルの時期に出した8枚のアルバムの中から23曲を抜粋した2枚組のベスト盤。
いや正確には、
ヴォーカリストとして90年代半ばにブレイズ・ベイリーを迎えた頃の2枚のアルバムの曲は、
すべてブルース・ディッキンソン復帰後の公式発表されたドラマチックなライヴ・テイクで収めている。
でも、だからこそ、
2枚で自然な流れで一つの流れが形成されているのだ。

目下の最新作『The Final Frontier』のところでも書いたように、
80年代初頭のIRON MAIDENは大好きでむさぼるようにレコードを聴いていたが、
90年代に入ってからは御無沙汰になったから個人的にも非常にありがたいCDだ。


ちゃんと聴いてなかったとはいえ、
個人的には後からIRON MAIDENのことを色々知って興味がつのっていった時期だ。
ブルース・ディッキンソンが英国のロマン派詩人/アーティストのウィリアム・ブレイクを好み、
マーク・スチュワート(The POP GROUP)と同じく「Jerusalem」をソロ作で曲にしていることも、
大きなポイントになった。
ヘヴィ・メタルには“お馬鹿さんバンド”も多いが(言うまでもなくそれはそれで愛すべき存在)、
IRON MAIDENはアーティスティックなバンドでもあると気づいていく。
だがむろん頭デッカチなあーてぃすとなんかじゃなく、
カラダから湧き出されている音楽だ。

各々のアルバムの中でもフックのある曲が選ばれているのだろうが、
ロマンあふれる絶妙のソングライティングに舌を巻く。
ヘヴィ・メタル以外の何物でもないといっても、
全体の3分の2以上が5分以上の曲で長い、
KING CRIMSON系ではなく
70年代のGENESISをはじめとするトラッド系のプログレッシヴ・ロックみたいな曲も多い。
ブルースのヴォーカルもメタリックな金切り声に留まらずマイルドな喉も震わせる。

曲順が時系列ではないにもかかわらず違和感がまったくない。
それにしてもスティーヴ・ハリスのベースはいつだってカッコいい。
ベーシストがリーダーのヘヴィ・メタル・バンドという音楽的な面白さはもちろんだが、
世の中がどうあろうと信念を貫き通しているリーダーシップがビンビンに震えている。
ヘヴィ・メタルだろうがパンク/ハードコアだろうが
ファッショナブルな流れに骨抜きにされることが一番恥ずかしい。
“個”として精神的に自立している。
だから長いこと世界中で愛されている。

守りに入ってないことは音が生き生きしていることでわかる。
なにしろいい意味でイギリス臭い。
それこそいわゆるUKロックの何倍も
ブリティッシュの伝統を背負っている重みがあるのだ。


音楽を楽しむという
個人的になかなかできないことが自然にできるCD。
ありがたいことだ。


★アイアン・メイデン『フロム・フィア・トゥ・エタニティ ザ・ベスト・オブ・1990 - 2010』(EMIミュージック・ジャパン TOCP-71080・81)2CD
ディスク1は約76分12曲入りで、ディスク2は約78分11曲入り。
歌詞などで構成された16ページのブックレット付。
「つまらなかったら責任をとる」とまで当時言い切って
ぼくが31年前にファースト・アルバムを買うきっかけになった伊藤政則執筆のライナーと、
ポイントを押さえてわかりやすく濃密な奥野高久執筆の曲ごとの解説と歌詞の和訳が日本盤に付いている。
厚手のブックレット2冊を無理なく収めるプラケース仕様だ。


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コメント

いまだに音楽を楽しめる自分が嬉しい時があります。ぼくは、まだ1stと2ndで止まっちゃったままです(笑)あと当時ポールがボーカルのミニライブアルバムが好きで聴いていました。そうとう経ってから、2ndのボーナスディスクにシングルなどと一緒に当時のライブが入ってるものを買ったんですけど、同じ音源かどうかはもはやわからなくなってます。1stはもう1曲目から今も勇気をもらえます。偶然ですが、高校の時、友人から借りっぱなしになっていたブートテープ、KILLERS TOURを先日聴きましたが、客の声のほうが大きくて、ブートの歴史も感じました(笑)臨場感を通り越してますが嫌いじゃないです(笑)「REMEMBER TOMORROW」好きでたまらない1曲です。

かくさん、書き込みありがとうございます。
前日のも丁寧にありがとうございます。もしやと思っていましたが、やっぱり7MONでしたか! シスコは新宿厚生年金ホール方面にあったころはお世話になりましたが、アルタに移ってからはそんなレコードは扱わなくなったと思っていました。
ポールが歌ったライヴミニアルバム、ぼくも持っています。ライヴ・イン・ジャパンだったような。キラーズのツアーは日本公演見に行ったので聴きたいですね。「REMEMBER TOMORROW」ぼくも大好きです。ファーストが一番すきなのは一生変わらないと思います。

IRON MAIDEN信者としては全23曲は少ないような気がしますね....23曲の歴史だけでは無いような気もします。
勿論購入して聴き込みます。
取り上げてくれて有り難うございます☆

ITOさん、書き込みありがとうございます。
23曲でも150分以上だから聞く側にも多少エネルギーは必要でしょうが、90年代以降に馴染みのない人にとっては聞きやすい流れです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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