なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

WORMROT『Dirge』

WORMROT『Dirge』


シンガポールのベースレス・グラインド・コア・トリオのセカンド・フル・アルバム。
個人的にはMUNICIPAL WASTEと共にEARACHE Records再生のカギを握るバンドだが、
またしても強力な作品を届けてくれた。

ジョン・チャン(元DISCORDANCE AXIS、現HAYAINO DAISUKI、GRIDLINK)直系、
というかもっとプリミティヴな高音域のシャウトとデス・ヴォイスのミックスのヴォーカルにまず殺られる。
音楽的にはほぼピュア・グラインドと言っていいだろう。
80年代末のTERRORIZERを思わせる!とまでは言わないが、
グラインド・コア第二世代の90年代のバンド、
たとえばDISCORDANCE AXISやASSUCKに連なるサウンドだ。
INFESTやNO COMMENTやDROPDEADらのファスト・コア/パワー・ヴァイオレンスとも接点を持ち、
あくまでもハードコア・パンクがルーツのグラインド・コア。
音のハジケ方はパンク・ロック以外の何物でもない。
そんでもって若干のクロスオーヴァー・テイストも塩辛い絶妙のスパイスだ。

約18分25曲入りというのもグラインド・コアらしくて潔い。
ほとんど曲間もないのだが、
それもRAMONESの『It’s Alive』やDISCHARGEの『Hear Nothing See Nothing Say Nothing』みたいな、
アルバムの全体の圧倒的な加速度に一役買っている。
ほとんどが“制限時間1分”の曲の中で微妙にソングライティングも凝っており、
このトータル・タイムだと一気に聴きとおせる。
苦渋を突き抜かん!とする抜けのいい音作りも気持ちいい。

英語で歌われる歌詞も、
NAPALM DEATHやパワー・ヴァイオレンス以降のハードコア・パンクの血がどくどく流れる、
免罪付を求めぬ“ファック・ユー!”アティテュード全開で痛快だ。
なんせ気合入っている。
シンガポールは東南アジアの中でも国全体としては経済的にまずまずだが、
色々かなり規制が厳しい。
そんなフラストレイションが熱を帯びた強力盤である。


★WORMROT『Dirge』(EARACHE MOSH443CD)CD
8ページのブックレット付。
アジアン・テイスト漂うメンバーのフツーのヴィジュアルもいい感じだ。
オススメ。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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