なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

PLEASURE SEEKERS~CRADLE(featuringスージー・クアトロ)

ベースを弾きながら歌うクールなヴィジュアル的にも“女性ロッカー”の先駆けで今も現役の
スージー・クアトロが73年にソロ・デビューする前に姉妹とやっていた2つのバンドがCD化されている。
もともと共にCD-RのフォーマットでQuatroRockから販売されていたようだが、
今回はCDでのリイシュー。
リマスタリング効果で音質も良好である。


PleasureSeekers.jpg
PLEASURE SEEKERSの『What A Way To Die』は、
クアトロ四姉妹を含む女性のみで60年代半ば以降に活動したバンドの音源集。
シングルで発表した曲の他に未発表音源満載の約38分12トラック入りで、
ベース/ヴォーカルのスージーをはじめとしてバンド自身も曲作りに携わり、
ほとんどがオリジナル曲というのも特筆すべきだろう。
キーボードのウェイトが大きくて妖しさ満々である。

ガレージ・パンクのイメージも強いが、
その代表であるシングル「What A Way To Die/Never Thought You’d Leave Me」は、
その2曲だけに参加したメンバーの色も強いと思われる。
他の曲はソウル・ミュージック、ポップス、ブルース、サイケデリック、“英語昭和歌謡”など様々で、
スージー主導の曲はR&Bのカラーが強い骨太の本格派。
後身バンドのCRADLEの原型と言えるヘヴィ・チューンも既にやっているし、
どれも濃い歌唱に裏打ちされていてクール!と言うしかない。
デトロイトが拠点だったことも興味深く、
写真や資料を派手にデザインした三つ折りジャケットにコメントを寄せたデニス・トンプソン在籍の、
MC5とも対バンしていたようである。


CRADLE.jpg
一方のCRADLEの『The History』は、
PLEASURE SEEKERSでキーボード担当だったアーレーン以外の三姉妹+ドラマーの女性4人組の編成で、
60年代の末から70年代初頭に活動していたバンドの約53分12曲トラック入り。
バンドのFacebookなどの情報によれば70年の大晦日にライヴで(対バンがMC5という説も)、
2人のメンバーが差し替えられた1曲以外はすべて彼女たちが書いた曲である。
引き続きナンシーが大半のリード・ヴォーカルを取っていると思われ、
スージーはベース/キーボード/ヴォーカル担当だ。

音楽的にはDEEP PURPLEやBLACK SABBATHなどの同時代ブリティッシュ勢とも多少共振する
“ガレージ・ハード・ロック”のアプローチと言える。
コーラス・ワークも多用してポップであると同時に
インタープレイを挿入する演奏やサイケデリック濃度の高さも高得点。
CARPENTERSの「Superstar」や
ミュージカル/映画『サウンド・オブ・ミュージック』の「Climb Ev'ry Mountain」のカヴァーを、
さりげなくやっているのも心憎い限りだ。
初の女性ハード/ヘヴィ・ロック・バンドの一つだし、
ここから5年後にRUNAWAYSがハード・ロックンロールを受け継いでいくのかと思うと感慨深い。
CDケース大の紙一枚というジャケットは寂しいが、
女性ロック・バンド史的にもカッコいいリイシュー盤である。


★PLEASURE SEEKERS『What A Way To Die』(CRADLE ROCKS No Number)CD
★CRADLE『The History』(同上)CD


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コメント

こんにちは

>>リマスタリング効果で音質も良好である。

私はCD-Rを既に持っているのですが、どの程度音質が向上しているのでしょうか?
「リマスタリング効果で~」と書かれているのは、CD-RとCDを聴き較べて比較しているんですか。

INDIAさん、書き込みありがとうございます。
向上しているか否かは不明なので書いていませんが、良好なのは確かです。たとえば、80'sハードコアのリイシュー音源でリマスタリングがうまくいってないと思われる奥行きのない音質のCDとたまに出会うので、そういうリイシューとは違うということですね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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