なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Meg Baird『Seasons On Earth』

pcd93452.jpg


米国南東部フィラデルフィアのフォーク・バンドESPERSのメンバーでもある、
シンガーソングライターのメグ・ベアードによる4年ぶりのセカンド・ソロ・アルバム。

アコースティック・ギター弾き語りを基本とするが、
まず彼女のギターの意外と強い音色とリフレインするリズムが気持ちいい。
アルバム・タイトルにふさわしく私的な話をふくらませたみたいな歌詞と共振して
ダイナミックに広がる音像も意識の表れだろう。
つつましやかながらも強い音と拮抗するかのように、
おくゆかしく楚々とした佇まいの歌声も実は強い。
高めの声で転がるように歌って後頭部に響き、
ナマの真綿で包まれていく感覚に襲われる。
裏返るところも艶っぽい。

前作『Dear Companion』は2曲以外カヴァーだったが、
本作は2曲以外すべてオリジナル曲である。
スザンヌ・ヴェガが最初のうちは頭に浮かんだが、
いい意味で彼女ほど都会的でもなく硬くもない。
ブリジット・セント・ジョンを思い出すところもあるが、
やっぱりもっとアメリカンのルーツ・ミュージックの色も滲み出てきて、
ブルースも薄っすらと感じる。
ゲストが奏でるペダル・スティール・ギターとドブロも入ってきて、
曲によってハープ、エレクトリック・ギター、パーカッションもささやかに彩りを添えていく。

今回のカヴァーは英国の70年代のジャズ・ロック・バンドMARK-ALMONDの「Friends」と、
映画『アップサイド・ダウン』にも登場したHOUSE OF LOVEの80年代後半の曲「Beatles And The Stones」。
そんなに年食っているように見えない女性だが、
渋いというか心憎いセンスでふところをくすぐられる。

ゆるやかなスピード感で一気に聴かせるとはいえ、
約51分10曲入りというヴォリュームの濃いアルバムである。
研ぎ澄まされたサイケデリックと言ってもいい静かなときめきとゆらめきときらめきがたまらない。
だからぼくはヤられて虜になる。


★メグ・ベアード『シーズンズ・オン・アース』(Pヴァイン PCD-93452)CD
日本盤はバイオグラフィー/歌詞とそれらの和訳付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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