なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

EDDIE AND THE HOT RODS、The REALGOODS 12月3日at下北沢GARDEN

HOT RODS


<英国音楽/VINYL JAPAN proudly presents 25TH ANNIVERSARY GIGS vol.2>
“LONDON R&B SESSIONS”
というライヴに行ってきた。
出演バンドは英国出身のEDDIE AND THE HOT RODSとREALGOODSである。

EDDIE AND THE HOT RODSはパブ・ロックとパンク・ロックの橋渡しのような存在で、
『The Black Album』『Strawberries』の頃のDAMNED加入前にポール・グレイが在籍していたバンドだ。
オリジナル・シンガーのバリー・マスターズがフロントに立つツイン・ギターの5人組という編成は、
76年のアルバム・デビュー時と同じである。

REALGOODSは、
ピート・ケイジ(vo~リー・ブリロー他界後のDR.FEELGOODの二代目シンガー)
ジッピー・メイヨ(g~ウィルコ・ジョンソン脱退後のDR.FEELGOODの二代目ギタリスト)
ジョン・B・スパークス[スパルコ](b~DR.FEELGOODのオリジナル・ベーシスト)
ジョン・マーティン[ビッグ・フィガー](ds~DR.FEELGOODのオリジナル・ドラマー)
というメンバー。
つまり“DR.FEELGOOD OB”によるバンドで、
77~81年までの第二期DR.FEELGOODの演奏陣+90年代後半のシンガーという4人である。

EddieHotRodsTeenageDepression.jpg

まずはEDDIE AND THE HOT RODSからだが、
想像以上にパンク・ロックでビックリした。
レコードやCDでもパブ・ロックと呼ぶにはパンク・ロックすぎると思っていたが、
少なくてもCLASHやJAMやSTRANGLERSの何倍もパンク・ロックと言い切りたいライヴだ。
たるい曲を一つもやってない。
疾走ナンバー・オンリーだったのである。

事前の情報でシンガーのバリー・マスターズ以外は知らないメンバーばかりだったから、
正直“どうなることやら・・・”と思っていた。
ソングライティングの割合などで判断する限り昔からバリーのバンドというわけではなかったし、
EDDIE AND THE HOT RODSがコンスタントに動いていたのはせいぜい80年代前半までで、
以降は断続的な活動の印象だからである。
だがパーフェクトなまでに杞憂であった。

個人的に一番の心配の種だったのはベーシストである。
ぼくにとってEDDIE AND THE HOT RODSはポール・グレイのベースでもあったからだ。
確かにポールのような色っぽいベース・ラインとは違っていたが、
現ベーシストも曲をぐいぐい引っ張っていく存在感十分の演奏で音がデカいところも気に入った。
EDDIE AND THE HOT RODSは今年に入ってからもコンスタントなツアーで鍛えている。
ドラムのリズムも走っていたし、
2本のギターのコンビネーションも良好。
だからスピード感が絶えなかったのである。

最初から最後までライヴ全体が止まらずに加速し続けていたのは、
バリーのステージ運びの上手さによるところも大きい。
適度なMCの入れ方もテンポがいいし、
まさに現役バリバリのプロフェッショナルなパフォーマンスでぐいぐい引き寄せていく。
何しろバリーは基本的なヴィジュアルが変わってない。
両手首にピンクと赤の布切れを巻いてヒラヒラさせ、
非メタボなボディをキープしているから白のサスペンダーでズボンを吊った姿もカッコイイ。
必要最小限の動きをしながら歌う声もよく出ていてけっこう若々しく、
いまだ「Teenage Depression」を歌っても十二分に生き生きと響いてきたのだ。

無理を承知でサードの『Thriller』(79年)以降の曲ももっと聴きたかったが、
「Do Anything You Wanna Do」
「Telephone Girl」
「Life On The Line」
をはじめとする代表的なオリジナル曲はほとんどやったし、
The WHOの「The Kids Are Alright」とTHEM/ヴァン・モリソンの「Gloria」も披露。
アンコールがSTEPPENWOLFの「Born To Be Wild」というのも御愛嬌である。
今回の来日ライヴはあと4日(日)の東京公演のみだが、
都合がつくEDDIE AND THE HOT RODSファンの方は観ておくことを強く強くオススメする。

REALGOODS.jpg

REALGOODSはシンガーこそ違えど、
“まさか2011年に第二期DR.FEELGOODが日本で観られるなんて!”といった様相のライヴだった。
ジッピー在籍時のDR.FEELGOODナンバーの連発だったのである。
「Ninety-Nine And A Half (Won't Do)」
「Down At The Doctors」
「Night Time」
DR.FEELGOOD唯一の大ヒット・シングル曲「Milk And Alcohol」
その曲の共作者でもあるニック・ロウが書いた「That's It, I Quit」などを披露。
スパルコとビック・フィガーがいたにもかかわらず
ウィルコ・ジョンソン時代のDR.FEELGOODナンバーがゼロというのは、
DR.FEELGOOD の79年のライヴ盤『As It Happens』と同じで徹底している。
ソリッドなギターのカッティングがほとんどないから、
実際オリジナルDR.FEELGOODやウィルコ・ジョンソン・バンドとはかなり違うのだ。

アルバム・デビュー前のEDDIE AND THE HOT RODSのメンバーだった
ルー・ルイスのバンドのメンバーとして今年3月に来日した際に話を訊いたとき、
スパルコは「他に何も音楽活動をしてない」と言っていたが、
REALGOODSの結成時期をぼくは知らない。
だがもちろん地に足の着いたライヴ・パフォーマンスを見せたのである。

いきなり「コンバンハ」「アリガトウ」と観客に話しかけてきたことが象徴するように、
シンガーのピートのステージングはフレンドリー。
シンプルとはいえステージではビシッ!とキメるパブ・ロッカーが多い中、
黒の無地のTシャツ姿でステージに立つ様子はフツーのオジサンっぽくもあったが、
いざ歌い出すと太い喉をラフに震わせて時折ハーモニカも披露してくれた。
DR.FEELGOODのオリジナル・リズム隊に対しては実際に目の前にしてやはり感慨深くなったが、
かつて10年近くツアーを一緒にやってきた二人だけにまさに息がピッタリ。
昔ほどではないがスパルコのさりげない動きもかっこいい。

“シルヴァー・ヘアー”の以上の3人に対し、
ジッピーはメガネをかけて後ろをやや伸ばしたパンキッシュなヘア・スタイルである。
ギター・ソロのときは前に出てくるが、
紳士的なまでに黙々とギターを弾いていた。
その佇まいが実にクールで、
デリケイトなカッティングや音数少なく贅肉を削ぎ落としたギターも実に渋かった。

少なくても第二期DR.FEELGOODが好きな方で都合がつく方は観ておくことをオススメする。


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コメント

お恥ずかしいことに、全然知りませんでした...。
一度は見て見たいバンドです...。


EDDIE~のセンターはミックジャガー+ダフマッケイガンに似てますね(笑)

画像見てビックリしました(^_^)

ITOさん、書き込みありがとうございます。
EDDIE AND THE HOT RODSはパンク・ロックに直結していながら、やはりシーンと時代のハザマで埋もれてしまった存在(特に日本では)に思えます。でもグレイトですから、ベストCDからでもチャレンジしてみていただきたいです。そんなにR&B臭くないです。
気づかなかったですが、なるほどバリー・マスターズのヴィジュアルは、ロックンロールの伝統的な悪ガキ・テイストですね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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