なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

NAPALM DEATH『Utilitarian』

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NAPALM DEATHの通算14作目のオリジナル・アルバムにあたる新作。
全世界ほぼ同時リリースで日本盤も2月29日(水)発売だが、
ライナーを書かせていただいたので、
いち早く聴かせてもらっている。


仁義上ライナーとあまりダブらないように簡潔に書くが、
ユニークな曲がけっこう入っている。

話題の一つはジョン・ゾーンが1曲でサックスを吹いていることだ。
ジョンとNAPALM DEATHとの関係性といえば80年代末から90年代前半を思い出す。
自身のジャズ・ルーツのオーネット・コールマンを高速解釈した
88年のソロ作『Spy vs Spy: The Music Of Ornette Coleman』から、
ジョンのハードコア・パンク/グラインド・コア・アプローチが始まった。
NAPALM DEATHの他に
当時D.R.I.、DIE KREUZEN、LIP CREAM、ACCUSED、S.O.B.、RISE FROM THE DEADなどから
インスパイアされたことを公にしていたジョンは、
まもなくNAKED CITYを結成してさらに加速し、
終盤はMELVINSアプローチも行なった。
ジョンは、
91年にNAPALM DEATHを脱退したミック・ハリス(ds、vo)やビル・ラズウェルと組んだ、
PAINKILLERでもグラインド・アプローチを決行。
今回のグラインド・コアへのはっきりした接近はそれ以来だと思われるが、
むせび鳴く高速サックスがNAPALM DEATHにフィットしている。
むろん妙にアヴァンギャルドな曲になりすぎてないので御安心を。

まるで他に何人もゲストが参加しているかのごとき多彩なヴォーカルも聴きどころだ。
誰が歌っているのか断定できないFEAR FACTORY風のメロディアスな疾走ヴォーカルも飛び出す。
むろんまったく違和感なく曲を加速させているので御安心を。
専任シンガーのバーニーの極太ヴォイスもさることながら、
いつにも増してギタリストのミッチ・ハリスのスクリームも炸裂しまくっている。
なんせ聴き応えありありなのだ。

欧米ではCENTURY MEDIA Recordsなどが通常盤とデジパック限定盤をリリースし、
前者が16曲入り、
後者がボーナス・トラック2曲追加で18曲入りのようだ。
日本盤はその限定盤の18曲すべてを収め、
さらに日本盤のみと思われる曲も1曲プラス!
むろん1秒の曲とかの瞬間芸ではなくてブラスト・ビートぶっこんだ曲なので御安心を。
前述のCENTURY MEDIA限定盤と違い、
日本盤は2曲のボーナス・トラックを最後でなく中盤に入れて
全体の流れをスムーズにした曲の並びにしてある。


言うまでもなく内容は間違いなし。
息苦しい内向き志向を突き抜けるスケール感で迫り、
風格の違いもさりげなく見せつける。
心して待っていただきたい。


★ナパーム・デス『ユーティリタリアン』(トゥルーパー・エンタテインメント QATE-10018)CD
19曲入りで歌詞の和訳付(予定)


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コメント

行川さん こんばんは。今年もブログを楽しみにしています。 遂にナパームデスの新譜が発売ですね。とても楽しみにしてます。行川さんのライナーノーツも非常に楽しみです。 去年、ブルータルトゥルースと一緒にロックアップが来日した際に、シェーンが
i podに入っていた今回の新曲のタイトルを見せてくれました。トップシークレットだよと笑いながら見せてくれたお茶目なシェーンに惚れました(笑)  今回の
新譜のジャケットもここ最近の中で一番ポリティカル
メッセージが強い感じがしてたまりません。今から発売が楽しみです。行川さん、今年もいろいろなアーティスト、作品を紹介してください。よろしくお願いします。

NAPALM DEATHは『enemy of the music business』以降ハズレが無いので元々信頼してますが、ジョン・ゾーンが参加してるとなるとさらに期待出来ますね!
行川さんのライナーも楽しみにしています。

書き込みありがとうございます。
>松浦 健司 さん
シェーンはおちゃめな人ですね。25年ぐらいNAPALM DEATHでやってきて、セカンドの頃の最初のピークのときに彼らだけ一般音楽メディアからも注目されてUKハードコア・シーンから叩かれたときをはじめとして、色々経験していますからタフでもあります。ポリティカル方面はバーニー担当のようですが、色々なテーマを扱っていることがブックレットでもわかる感じです。彼らの歌詞は読み取りにくいので和訳もありがたいと思っています。
>eristさん
『enemy of the music business』以降ハズレがないだけに、彼ら自身も自己保身に中指を立てているみたいで今回もチャレンジしています。ジョン・ゾーンが入っている曲は最初聴いたとき“何事か・・・・!”と思いましたが、その部分だけNAKED CITYな刺激的な曲になっています。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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