なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ALICE COOPER(Alice Cooper)の紙ジャケ・リイシュー(4/4)

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★『Lace And Whiskey(邦題:レースとウィスキー)』
77年4月リリースのサード・ソロ・アルバムで、
バンド時代から数えると通算10作目。
これはライナーを書かせていただいたので
あまりダブらないよう簡潔に紹介する。
極一部には低迷期とも言われるが、
ほんと何気にファンが多い佳作である。

これまた色々な曲が入っていて聴きどころだらけ。
全米トップ10入りの大ヒット・ラヴ・バラード「You And Me」は客観的に聴いても名曲なわけだが、
全体的に前作より凝縮されていて歯切れが良く、
アダルトな曲に加えて実はパワフルな曲も多めで聴き応えありだ。
アル・クーパーがピアノで参加したロックンロール・チューンは軽快だし、
STRAY CATSのカヴァーでも知られるウォーレン・スミスの「Ubangi Stomp」もクールである。
“アルコール・アドヴァイザー”の名前をプロデューサーと並んでクレジットしているのも、
密かなポイント。
ジョークではなくアルコール中毒との闘いの真っ只中だったのである。
それでこのアルバム・タイトルとジャケット(+一部の歌詞)はアリス・クーパーならでは。
アートワーク同様にフィルム・ノワールな佇まいの歌詞も楽しめる一枚だ。

E式シングル・ジャケットで
カスタム内袋とファンクラブ・フライヤー封入。
カスタム・レーベル仕様の10曲入り。


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★『The Alice Cooper Show』
77年12月リリースの初のライヴ盤。
同年8月に収録されたものらしい。
バンドのALICE COOPERのサード『Love It To Death』から
当時の最新ソロ作『Lace And Whiskey』までの中から選曲され、
11トラックが収録されている(メドレーの曲を別々に数えると13曲入りとも言える)。
ALICE COOPERの初期2作の曲がないのは不完全で後の曲と違いが大きいからかもしれないが、
以降のアルバムから『Muscle Of Love』の曲だけやってないのは興味深い。
本作も手がけたボブ・エズリンがプロデュースしてない作品だからとも邪推できるが、
そのアルバムが他とはちょっと異質とアリス・クーパーが考えているからとも想像できる。
ともあれ代表曲はほぼ入っているし、
シアトリカルな展開も挿入していてステージの模様を勝手にイメージできる。

内容の方はアルコール依存症からの脱却の真っ最中で苦しんでいた時期にもかかわらず、
がんばっていて声もよく出ている
ソロ・デビュー作『Billion Dollar Babies』の中核バック・メンバー
(すなわち73年のルー・リードのバンドのメンバー)がほとんどという演奏陣が
アリス・クーパーを見事に盛り立てている。
特にディック・ワグナーとスティーヴ・ハンターの激しく金属的なギターの掛け合いは、
かなりクールだ。
アリス・クーパーはバンド時代もソロもスタジオ録音盤はかなりプロデュースされているから、
ロックロックしたステージに興奮を禁じえない。
個人的に今回のリイシューのリマスタリング効果が最も出ていると感じた一枚でもある。
なお本作でプロデューサーのボブ・エズリンとは一旦終袂を分かつことになった。

E式シングル・ジャケットで
カスタム内袋とファンクラブ・フライヤー封入。
WPパームツリー・レーベル仕様の11トラック入り。


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★『From The Inside(邦題:閉ざされた世界)』
78年リリースの4作目のオリジナル・ソロ・アルバムで、
バンド時代から数えると通算11作目。
プロデューサーはデイヴィッド・フォスター。
当時まだプロデューサーとしては駆け出しだったようだが、
超メジャーなアメリカン・ポピュラー・ミュージック・サウンドに仕上げることで定評がある。
大半の曲は引き続きディック・ワグナーがアリス・クーパーと書いたもので、
よく聴けば根はそんなに変わってない気もする。

けど何もかも吹っ切ったかのコマーシャリズム全開のクリーンな音作りで
まさにアルコールという名の“悪い毒”を身体から一層したかのようである。
あの時代の太陽さんさんなアメリカン・ハード・ロックのギターが笑っちゃうほど明るすぎて奇妙だ。
ある意味アリス・クーパーとしては王道メジャー・プロダクションの最初のアルバムとも言える。
“AORハード・ロック”のTOTOのスティーヴ・ルカサーが
ギター演奏と作曲で関わっているのも不思議な気分で、
ところによっては当時のTOTOやBOSTONやJOURNEYすら思い出す(彼らは嫌いじゃないが)。
曇り空の音どころか雲ひとつない青空の音をバックに歌う詞は、
アルコール依存症の治療のために入っていた療養所での生活が元になっているらしく、
健康的な音とのギャップを楽しみながらアリス・クーパーがビシッ!と歌い倒している構図も面白い。

両面観音開き特殊シングル・ジャケットで、
カスタム内袋と2種類のステッカー封入。
WBアイボリー・レーベルの10曲入り。
アリス・クーパーが体験した療養所の中が想像できる凝ったジャケットの作りだから、
今回のリイシュー盤の中でやや価格高めなのも納得できる仕上がりだ。


★『レースとウィスキー』(ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-14308)SHM-CD
★『ライヴ!! アリス・クーパー・ショー』(同 WPCR-14309)SHM-CD
★『閉ざされた世界』(同 WPCR-14310)SHM-CD
いずれも2011年に日本でリマスタリングされたSHM-CDで、
オリジナル盤のLPのパッケージと
発売当時のムードが味わえる日本盤LPの帯のデザインを再現。
歌詞/和訳付で非常に読みやすいブックレット封入。


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コメント

4日間楽しかった!!ありがとう!

そうそうさん、書き込みありがとうございます。
ぼくは楽しむのが難儀な人間なので、楽しんでいただけるのが一番うれしいです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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