なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

HUSKER DUの日本仕様版リイシュー5タイトル(2/2)

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★『Zen Arcade』
『Metal Circus』から約半年後の84年の夏にリリースしたアルバム。
約71分23曲入りのヴォリュームで、
むろんLPでは2枚組の体裁で発表という大胆不敵な作品だ(CDだと1枚)。
ハードコア・ムーヴメント以降でこういうヴォリュームのスタジオ録音パンク・ロック作品は
初めてだろう。
CLASHの『London Calling』がパンク・ロックであるとしたら
このアルバムもパンク・ロックと言っても問題ないわけだし、
まるで曲が産まれて産まれて止まらず堕ろしたくないからこうなったかのようだ。
HUSKER DUの『Land Speed Record』を最初に出したレーベルの主宰者で
当時SST Recordsのレーベル・メイトでもあったMINUTEMENが、
アルバム『Double Nickels On The Dime』で倍近くの曲を入れて2枚組LPで仕上げたのも、
本作を聴いてインスパイアされたからであった。

アコースティック・ギターがメインの曲あり、
インスト・ナンバー4曲あり、
シングルでカヴァーしたBYRDSも思わせるサイケデリックな凝った音作りの仕掛けも数曲で施した。
アイデアたんまり大爆発なんである。
23曲のレコーディングの全工程を85時間で行なったらしいから、
労務者の手みたいなゴツゴツした音の質感はキープ。
相変わらず競い合うようにも歌うボブ・モールド(vo、g他)とグラント・ハート(vo、ds他)が、
共に曲によってピアノでちょっかい出しているのも面白い。
相変わらずイカレていて熱く狂おしいパンク音楽が乱舞して行進する。
最後の曲「Reoccurring Dreams」は、
パンク/ハードコア畑のバンドとしては前代未聞の14分近くに及ぶロング・チューン。
しかも澱むことなく走る狂騒のインスト・ナンバーなのであった。
永遠に続きそうなジャム・セッションをイメージする演奏は同時期のBLACK FLAGも思い出す。

今回の日本仕様版に付けられた歌詞の和訳の一人称表記が、
前作まで“俺”だったにもかかわらず本作では“僕”になっているのもGJ!である。
そういうニュアンスの歌声になってきており、
曲の数と同じ23通りの不安の表情が炸裂するのであった。


KKCP-241_⑤ジャケット写真
★『New Day Rising』
『Zen Arcade』から半年後の85年の1月にリリースした15曲入り。
アルバム・タイトルとジャケットどおりに肯定的な光を放つ本作で、
HUSKER DUのイメージは語られることが多い。
HUSKER DUを最初に接するのにも最適なアルバムというのは楽曲的に焦点が絞られているからだが、
同じ曲は二つとない。
いい意味で決して洗練されてない音は相変わらずハードとデリケイトの間を綱渡りで走り、
パンク・ロックとギター・ロックの間を中央突破して
プリミティヴしかしポップ。
STIFF LITTLE FINGERSあたりからの影響が最高の形で現れたアルバムでもある。
LEATHERFACEをはじめとする80年代後半以降のUKメロディック“sad”パンクのルーツだし、
SUPERCHUNKをはじめとするギター・バンドもここが基点。
BLOODTHIRSTY BUTCHERS以降の日本のバンドへの影響も大きい。
最後がほとんどインプロヴィゼイションなのも“HUSKER DU節”健在なり!なのであった。


KKCP-242_⑤ジャケット写真
★『Flip Your Wig』
『New Day Rising』に続いて85年の9月に発表した14曲入り。
60年代のバンドみたいな短いインターヴァルでのリリースの連続にたまげるしかない。
むろんしっかり書いた曲オンリーで曲作りに磨きをかけているのだから、
またまたたまげるしかない。

ボブ・モールド(vo、g他)とグラント・ハート(vo、ds他)が
いい感じでライバルみたいにソングライティングを行なっていたバンドだが、
これまでのアルバムに収録されていた共作ナンバーが遂になくなる。
スポットがプロデューサーの座からは外れてボブとグラントが手がけているのも一歩踏み出した象徴だ。
『New Day Rising』からさらにネクスト・レベルに進んだメロディアス&ラウドなギター・サウンドだが、
切ないだけに留まらず苦みばしってもいるのは歌の内容も同様だ。
特に「Find Me」は曲も歌詞も一線を越えた力強い名曲である。
この後USハードコア・パンク・シーン出身のバンドによるメジャー・レーベル初契約で
アンダーグラウンドに波紋を投げかけるが、
アグレッシヴな姿勢を示すかの如く最後に2曲続けたインスト・ナンバーを聴くと、
それも必然だったと思わされる。


★『ゼン・アーケイド』(キング KKCP 240)CD
★『ニュー・デイ・ライジング』(同 KKCP 241)CD
★『フリップ・ユア・ウィグ』(同 KKCP 242)CD
すべて歌詞とその和訳と“バックカヴァー”まで覆った帯に加え、
TAYLOW(the 原爆オナニーズ)執筆の全タイトル別内容のライナー付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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