なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

NAPALM DEATH『Utilitarian』

NAPALM_convert_20120305111418.jpg


英国出身のNAPALM DEATHの17作目。
ライナーを書かせていただきました。
少しだけとはいえ以前紹介しているし、
例によってライナーとダブることをたくさん書くのは仁義に反するからここでは簡潔に紹介。

完成品のアルバムを手にして気がついたことを加えると、
日本のみのボーナス・トラックも歌詞が読みやく載り、
HAUNTEDも手がけたデザイナーによる32ページのブックレットも含めて重み十分の作りである。
LPほどではないかもしれないが、
プラケースのCDでもこういうパッケージだと手に持ってみると充実感が違うし、
やっぱり手元に置いておきたくなるアルバムになるのだ。

いつも曲ごとに書かれているソングライターの名前がクレジットされてないのも興味深い。
それはともかく歌詞であまりストレートな表現を使わないNAPALM DEATHだが
今回は比較的個々の曲のテーマがわかりやすい。
とはいえ言葉数が多く単純明快な表現はしてないから、
分厚いブックレットを彩るポリティカルなコラージュと歌詞の和訳を見ながら聴くと
曲のイメージがより伝わってくる。
シェーン(b、vo)の奥さんがジャパニーズということもあるのだろう、
2011年3月11日以降の日本がモチーフになった思しき曲も含まれている。

表現したいことが横溢してサービス精神も旺盛だから19曲。
曲が多いのはデビュー作『Scum』(87年)以来のNAPALM DEATHの伝統だ。
挑戦的な曲やヴォーカリゼイションを織り込み起伏を持たせて飽きさせず、
もちろんグラインドも怠らず、
約55分を一気に聴かせる。
ダニー(ds)のドラムはハジけているし、
バーニー(vo)とミッチ(g、vo)が喉を震わせる何気に表情豊かなヴォーカルを聴くと
なぜ米国産メタル/ハードコア系に多い“単細胞ゴリ押し系”がうっとうしいかがわかるのだ。

なお2012年8月23日の来日公演でのパフォーマンスから察するに、
「The Wolf I Feed」「Everything In Mono」におけるFEAR FACTORYのバートン・ベルのようなヴォーカルは、
レコーディングでもバーニーではなくミッチと思われる。
ライナーで書いた推測をお詫びして訂正します。
[2012年8月24日記]

サウンドそのものが元気なエクストリーム・ミュージックを浴びるとこっちも気持ちの体温が上がる。
帝王の健在ぶりをさりげなく見せつける痛快盤である。


★ナパーム・デス『ユーティリタリアン』(トゥルーパー・エンタテインメント QATE-10018)CD
日本盤は、
海外盤のデラックス・エディションの2曲に加えて独自のボーナス・トラック1曲追加の計19曲入りで、
すべての歌詞の和訳が読みやすいデザインで載ったインナーシート封入。


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コメント

行川さん  こんにちは。 
ナパームデスのニューアルバムを通販で注文して
います。早く聴きたくてウズウズしてます。
ライナーも行川さんとの事でこちらも楽しみです。
自分的にはライナーは行川さんと山口さんだけにお願いしたいです(笑)
ナパームデスはアルバムを出すごとに凄みが増していると思います。最高です。
先日アルバムを出したテロライザーと一緒に来日
しないですかね?以前こちらで行川さんが紹介して
くださり購入しましたが、テロライザーも最高にかっこよかったです。
それでは、失礼いたします。

早く手元に欲しい(棚に並べたい)新譜です!!
ボーナストラックが異様に気になりますね(^O^)


来週はSTALINが再発です!
行川さんは購入しますか??

山口さんだけは勘弁してくださいw

書き込みありがとうございます。
>松浦さん
NAPALM DEATHはバーニーが一度クビになって以降結束が固まった感じもあります。メンバーは全く違いますがファーストから聴いてきて色々ドラマを感じます。CRASSとMORBID ANGELをつなぐアナーキーな存在ですし、ホントいつも自分にとってキーワードのバンドです。BURRN!最新号のシェーンのインタヴューを読んで、あの年でいまだ新しいバンドをガンガン聴いている姿勢もうれしいです。
勝手な推測ですが、そのインタヴューを読んで、今度はTERRORIZERと一緒に来日するのではないかと思ったりしました。ディヴィッド・ヴィンセントのMORBID ANGELのスケジュール次第にもよるでしょうが。日本のレコード会社も同じですし。
>ITOさん
解散ライヴのリイシューCDは、今月15日発売の某誌で記事を書いたのでもう聴いています。『For Never』とはまったく別物で面白いですよ。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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