なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

NOOTHGRUSHのリイシュー盤2タイトル

米国サンフランシスコのスラッジ・コア系のバンドのリイシュー2タイトル。
どちらも昨秋リリースされたものだが、
雑誌で取り上げるつもりがタイミングを逸して後回しにしたままだったので、
遅ればせながらここで簡潔に紹介する。


FUCK YOGA
★『Noothgrush』
結成まもない94年の10月に録音されたデモと思しき約44分5曲入り。
パワー・ヴァイオレンス・ムーヴメント総本山SLAP A HAM Recordsから
7”『Embraced By The Anti-Self』でレコード・デビューする2年前の音源だ。
ゲイニー・ニーダーホッフ(vo、b)とジャパニーズ・ガールのチヨ・ヌカガ(ds)以外、
7年の活動の間にメンバーが変わっていったトリオとして知られているが、
このレコーディングのときは
マット・パイク(元SLEEP/現HIGH ON FIRE)も在籍したASBESTOSDEATHの元メンバーのトム・チョイと、
ルイス・ダヴィラがギターを弾く4人編成。
トムがメンバーということでポリティカル・クラスト・パンク/ハードコア界隈とのつながりも見えてくる。
以降と同じくスロー&ヘヴィとはいえ他の作品と明らかに趣が違うのはギタリスト二人の存在が大きく、
曲によってはスペーシーなエレクトニクスも飛ばされる。
ヴォーカルもこの時点では解脱したかのような調子で、
全体的に後期SLEEP~OMにも近い。
“裸のラリーズ meets 初期のPiL”とも言うべきディープなサイケデリック・テイストも十分だ。
日本ではあまり見かけなくなったCDだが、
レーベルにはまだ在庫があるようだからトライしてみることをオススメする。


noothgrush_live.jpg
★『Live For Nothing』
96年と99年のラジオ・オンエア用のライヴ・レコーディングを収めた約80分18曲入り。
NOOTHGRUSHはアンダーグラウンドのパンク/ハードコア・シーンを拠点にしていて、
前記の『Noothgrush』が
リアル・アンダーグラウンドのグラインド/スラッジ系のFUCK YOGAからのリリースなのも納得だ。
ただこちらは全体的な音像を思えば、
SUNN O)))のグレッグ・アンダーソンのSOUTHREN LORD Recordsリリースというのも納得である。
音の輪郭がはっきりした仕上がりという点で、
一発録りにもかかわらずNOOTHGRUSHの音源の中で比較的異色とも言える。
いわゆるドゥーム・メタルを愛好する方でもイケるほどクリアー(≒クリーン)なのだ。
といってもNOOTHGRUSHがリアル・タイムで7”やスプリット盤などで細かく発表してきた多数の音源の、
DYSTOPIAやCORRUPTEDなどと共振してきた路線。
スラッジ・コア王道のrawなヴォーカルをはじめとして、
EYEHATEGODからブルースを抜いたかのようで荒涼としている。
実はドラマチックでけっこうメタルだった曲のテクスチャーがよくわかるというイイ意味で、
本作は数種類出ている編集盤よりも初心者の方にもオススメだ。


SLAP A HAMから始まりSOUTHERN LORD Recordsで最終的な幕を閉じた形になったわけだが、
時代も立ち位置も違えどパンク/ハードコア/ドゥームを地下から揺るがしてきた両レーベルをつなぎ、
90年代初頭からのエキサイティングなダーク・サイドのシーンの生き証人の軌跡も覗ける2作である。


★NOOTHGRUSH『Noothgrush』(FUCK YOGA FY#35)CD
★同上『Live For Nothing』(SOUTHERN LORD LORD143)CD


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コメント

初めてコメントさせていただきます。

年に2~3回、SOUTHERN LORD Recordsから通販してますが、この作品はチェックしていませんでした。気になったので買ってみます。

先日、WOLVES IN THE THRONEROOMの最新作(カセット!しかも6$!)とEARTHの新譜が届いたので聴きまくってます。あと、 CORROSION OF COMFORMITYの新譜も良かったです!

Korokuさん、書き込みありがとうございます。
NOOTHGRUSHは当時アルバム・サイズのボリュームで作品をほとんど出さなかったから、アルバムとも言える感じです。WOLVES IN THE THRONEROOMのカセットは知らなかったです。デジタル時代の反動か最近はカセット・オンリーでのリリースもまた少しずつ増えていますね。C.O.C.の新作はどこかの雑誌で書く予定でいます。

「Live for Nothing」買いました。仙台のライブ行きました。大迫力でしたが、この盤とはvoの人が違うみたいですね。現在のvoはdystopiaでドラムをやっていたみたいですが、dystopiaではどの程度voをやっているのでしょうか。
前座の女性一人DOOM、目玉湯鯨がかっこよかったですよ。ご存知ですか?

SAKUMAさん、書き込みありがとうございます。
僕はまたさぼってしまいましたが、大迫力とのことで良かったです。
『Live For Nothing』の頃に歌っていた人はメイン・ヴォーカルではなくなっているようですね。NOOTHGRUSHの今のメイン・ヴォーカルのDinoはDYSTOPIAではドラムを演奏していましたが、昔DYSTOPIAが来日公演を行った際(確かCORRUPTEDとの日本ツアー)、ギタリストとのツイン・ヴォーカル体制で、半々の割合でヴォーカルをシェアしていて観て驚いた記憶があります。
目玉湯鯨は知らなかったですが、頭に入れておきますね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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