なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『REC/レック3 ジェネシス』

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パコ・プラサ監督による2012年のスペインのホラー映画。
シリーズ3作目とはいえ“前2作”を体験していなくてもまったく問題ない。
むろん心臓に“覚悟”が必要な“R15+指定”である。
というわけで凄惨なシーンも少なくないが、
“最期”まで契りを求める生々しくもデス・メタリックな愛の肉片が飛び散ってきて感動すら覚える。
<以下、心臓の弱い方は画像に注意>

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たった数時間の間の物語と思われる。
舞台は結婚披露宴の会場。
新郎コルドと新婦クララはしあわせの絶頂で、
親戚や友人がたくさん集まってみんな思い思いに楽しんでいる。
だが外では黄色い防護服の男たちと一台のバトカーが“何か”を静かに警戒していた。
そんな中で披露宴の出席者の一人である叔父が異常な行動を取った末に妻の首を食いちぎり、
その行為を見て堤防が決壊したかのように数名が他の出席者に襲いかかる。
みんなウイルスに侵された正気を失っていたのである。

混沌の渦と化とした披露宴の会場の中でコルドとクララは別れ別れになる。
感染者に噛まれたりしてウイルスに感染する人が増える一方だから二人はそれぞれ逃げまくるが、
敷地内は広いからなかなか再会できない。
お互い一緒に逃げた数人の人たちもいつしか周りからいなくなって、
共に一人になる。
だがまた会えることを信じ、
追っ手を振り切りながら探し続けるのであった。

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序盤の作りが、
出席者の個人的な撮影とプロのカメラマンの“オフィシャルな撮影”とで披露宴を捉えた映像が
ミックスされたような構成になっているのが面白い。
それによってカップルだけでなく様々な人がハッピーな様子が等身大で描かれているのだ。
まもなく暗転して対極のカオティックな空気感一色になる落差で気持ちを落とし高める。

たとえ即死や出血多量死をしなくても噛まれてウイルス感染したら最期ということを察し、
コルドもクララもそれぞれ必死で逃げる。
この場に集まっているすべての人間が二人の知人というのも残酷だが、
情が入り込む余地はない。
親戚だろうが友人だろうが、
たとえウイルスで異常になっていたとしても襲ってきたら殺すしかない。

サブ5

そんな中で新婦のクララはチェーンソーを手に取る。
リアリティに欠けてはいない。
火事場の馬鹿力よろしくで、
いざとなったら何でもできるのだ。
ウエディング・ドレスの長い裾を切って脚を見せてチェーンソーを構える姿はクール極まりない。
理屈抜きでロックに映る。
必死だから凛々しくカッコイイ。

コルド役のディエゴ・マルティンもいいが、
プラサ監督の妻でもあるそのクララ役のレティシア・ドレラに痺れる。
スレンダーなボディにキュートな顔立ちでかわいい新妻姿をふりまく序盤から、
たったの数時間で豹変していくルックスに目が奪われるばかりだ。
70年代のSiouxsie & the BANSEESの頃、
いや厳密に言えば『Join Hands』(79年)の頃のスージー・スーも思わせる風貌になっていく。
やつれて目の周りにクマできたかのようになった顔は、
ゴスと呼ぶにはあまりに生々しい。

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あらためてデス・メタルな展開の映画だ。
CANNIBAL CORPSEのコンセプトすら思わせる。
別にそういう音楽が使われているわけではないが、
なぜラップでもフォークでもなくデス・メタルが心臓をえぐり取る感動を呼び起こすかもわかる。
緩慢ではいられない生きるか死ぬかの時には言葉の意味性を超えたダイナミズムが必要。
斬られても生きようとする肉の震えが問答無用の生を刻む。
特に中盤以降の加速度が格別だ。

生かすための愛のために夫は妻の前腕を切り落とす。
生きるための愛のために妻は夫の舌を食いちぎる。
それがこの映画の肝である。

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監督を恨まずはいられない愛のフィナーレ。
だが見る者にそう思わせてこそホラー映画としてグレイトなのである。


★映画『REC/レック3 ジェネシス』
2012年/スペイン/80分/カラー/シネマスコープ
http://www.rec3.jp/
2012年4月28日(土)から
シネマスクエアとうきゅう、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー。
“公開日から333日間、誰でも1000円キャンペーンを実施”、
つまり2013年3月26日(火)までどなたでも1000円で見られるとのことだ。
配給:ブロードメディア・スタジオ
ⓒ 2011 REC GÉNESIS A.I.E


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コメント

前2作はDVDで観ました。1作目は良かったのですが2作目は正直ゲンナリしました。
3作目は何かの予告で見たのですが『またやるんだ』くらいにしか思っていませんでした。
しかし本文を読んでると是非観たくなってきました。
最近はまたホラーやスプラッター映画をよく観ます。
いきなりで、しかも変な質問でスイマセンが行川先生の中でのベスト・ホラー映画を教えてください。

chumbaさん、書き込みありがとうございます。
見てないのでぼくははっきりと比較できないのですが、一番流血量が多いとのことです。
ベスト・ホラーは挙げにくいですね、スイマセン。特に印象に残っているのは大昔ので、「サスペリア」とか「13日の金曜日」あたりの有名どころばかりですが、ブログで紹介してきているものは一生忘れないそうもない映画ばかりです。

ありがとうございます。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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