なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

PALLBEARER『Sorrow And Extinction』

PALLBEARER.jpg
アメリカ中南東部のアーカンソー州出身の“sad”ドゥーム・ロック・バンドのデビュー作。
シンガーもギターを弾くツイン・ギターの4人編成で、
ヴォーカルからも楽器からも銀河のようにドゥームな歌心が流れ出す非常に素晴らしいアルバムだ。
“棺を担ぐ人”というバンド名にふさわしいサウンドだからこそ光も見えてくる。
目下どっぷりハマっている。

フューネラル・ドゥーム・メタルのムードも漂うが、
いつまでも暗黒をさまよっているわけではない。
ゆっくりとゆっくりと楽曲のみで長編のストーリーを描き出し、
SOLSTICEあたりの影がよぎってエピック・ドゥーム・メタルとも接触する。
ただし“メタル”のエッジは立ってない。
PALLBEARER は男性ヴォーカルだが、
JEX THOTHも思わせるたおやかな表情を覗かせている。

PINK FLOYDのサイケデリック感覚に包まれながらKING CRIMSONの叙情性を研ぎ澄まし、
アコースティック・ギターとエレクトリック・ギター・ソロも挿入させながらたたえる哀しみ。
コクのあるヘヴィ・リフとゆるやかに疾走するSLEEP系のビートが2012年の“ドゥーム・グルーヴ”を生み出す。
各パートの音のリズム感とタイミングが絶妙だから時間軸もつつましやかに変えていく。
CONFESSORが解脱してとろけたかのごときストレンジで高い声域の穏やかなヴォーカルが放つ
ドゥームの理想とクラストのニュアンスも滲む世界観の歌詞とあいまって、
浮き世の煩悶や因習や束縛から解き放ってくれる。

周りに惑わされずに我が道を進めそうな反面、
アーカンソー州拠点だから広い地平に展開をしていくのは決して楽ではなさそうである。
サンクス・リストを見るとどういうシーンの中で活動しているのかはっきり見えてこないが、
その中にRWAKEが挙げられているのも妙に納得できる“無所属”のサウンドなのだ。

↑の画像は黒っぽくなってしまっているが、
たそがれで終わらずサイエンス・フィクションを彩った紫色のジャケットにも風雅を覚える。
トータル・グレイト!


★PALLBEARER『Sorrow And Extinction』(PROFOUND LORE PFL-089)CD
8ページのブックレット封入の約49分5曲入りのデジパック仕様。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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