なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

JOB FOR A COWBOY『Demoncracy』

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米国アリゾナ州出身のデスコア/デス・メタル・バンドのサード・フル・アルバム。
プロデュースは近年メタルコア系の多くのバンドと仕事を行ない、
前作も手がけたジェイソン・スーコフである。

JOB FOR A COWBOYはデス・メタルにメタル・ハードコアの要素を加えたサウンドで、
デスコア・バンドとも呼ばれてきた。
『Demoncracy』もそういうニュアンスだが、
ドゥーミーな曲も混ぜつつブラスト・ビートが目立つデス・メタル寄りにもっとシフトしている。
“エクストリームなロックって言い方でいいじゃないか!”って思うが、
それだと色々なロックを聴いている人には通じないし誤解を与えるから、
メタル・ハードコアのエッセンスが拡散したようなデス・メタルになっていると言っておこう。

影響を公言しているMISERY INDEXとAT THE GATESを混ぜ、
現ベーシストが掛け持ちしているCEPHALIC CARNAGEのリズム・チェンジの激しい展開で進み、
ねちっこい曲の中にCARCASS的な憂鬱フレーズとギター・ソロを挿入したみたいなサウンド。
デス・ヴォイスとスクリームの間で悶絶するヴォーカルが放つ歌詞も含めて、
パンク/ハードコアがかったデス・メタルからの影響を2012年にアップデートしている。

ローマ神話の正義の女神ユースティティアが変容したようなジャケットも興味深い。
METALLICAの4作目『…And Justice For All』のジャケットにも通じるが、
歌詞もポリティカルなリアリズムに神話的な深みを加えている。
アルバム・タイトルのスペルは誤りではなく、
“demon(悪霊)にファックされたdemocracy(民主主義)”というニュアンスだろう。
“demon”は“=devil”“=satan”ではない。
“人を苦しめる恐れ”“極悪非道の人”が本質的な意味だ。
バンド名からして“カウボーイ国家”のUSAに対する痛烈な皮肉に満ちているわけで、
そういう国に生きる者としての覚悟も感じさせる。

むろん『Demoncracy』の表現は普遍的だ。
内向きになることを音そのものが拒絶している。
一歩突き抜けたナイス!な一枚。


★ジョブ・フォー・ア・カウボーイ『デモノクラシー』(ハウリング・ブル HWCY-1306)CD
日本盤は昨年リリースのEP『Gloom』の4曲を追加した約56分13曲入りで、
16ページのブックレットに読みやすく載った本編の歌詞の和訳付。
4月11日(水)発売。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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