なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』

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“裏『セックス・アンド・ザ・シティ』”とも評される2011年のアメリカ映画。
花嫁に付き添うブライズメイド(bridesmaid[s])になった女性たちが繰り広げる
“カオティック・コメディー”である。
緊張感あふれる女同士の友情を軸にした物語にプリミティヴなユーモアとピュアなラヴ・ロマンスを絡め、
テンポの良さで一気に駆け抜ける痛快作だ。

エグゼクティブ・プロデューサー/監督が男性のポール・フェイグで、
脚本が女性コンビのアニー・マモーロ&クリステン・ウィグ。
そのクリスティンは、
米国の公開コメディ・バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に2005年からレギュラーで出演し、
『宇宙人ポール』(2011年)などの映画に出演する女優でもあり、
本作の主役でもある。

『ブライズメイズ』サブ4

アニーは30代の独身女性。
自ら開業した手作りケーキのお店がつぶれて一緒に店をやっていた恋人に逃げられ、
母親のコネで宝石店に勤めるも恋愛に対するシニカルな言葉を連発して客を逃がす。
“リズム”の合わないセックスフレンドとドライでスポーティな夜をときたま送り、
どんどん落ちぶれていく中で幼馴染みの親友のリリアンが“まさかの婚約”。
複雑な心境の中でブライズメイドのまとめ役“メイド・オブ・オナー”を頼まれて引き受け、
アニーは婚約披露パーティーで他のブライズメイズを紹介される。

花嫁リリアンの従姉妹で息子が3人いるリタ。
新婚のベッカ。
花婿の妹で恰幅のいいメーガン。
花婿の上司の妻ヘレン。
一癖も二癖もあるおんなたちが揃ったが、
とりわけヘレンがアニーと火花を散らす。

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モデルみたいなルックスを強化する金持ちで何事もスマートなヘレンに対し、
ダメダメなキャラで金欠のアニーは様々なジェラシーを抱く。
花嫁リリアンと小さいころから親友のアニーは、
出会って間もないにもかかわらずリリアンに対して親友気取りをするヘレンの態度が特に気に入らない。
親友が盗られる、
親友の座を奪われる、
そんな危機感にアニーは襲われる。

『ブライズメイズ』サブ2

とりあえずアニーが選んだ安くて美味いブラジル料理店で女子会が行なわれるが、
その直後にヘレン馴染みの超高級ブライダル・ショップにおけるドレス選び、
さらにヘレンの提案が採用されたラスベガスでのリリアンの独身最後のパーティー、
さらにヘレンの豪邸で行なわれた花嫁に贈り物をする“ブライダル・シャワー”。
否が応でも笑顔の裏でピリピリしたムードが女子たちの間で強まっていく。

特にアニーとヘレンは“お互いの親友”のリリアンをめぐって“冷戦状態”が続き、
前回会ったときにアニーが口走ったアイデアをヘレンはことごとく豪華にヴァージョン・アップして盗用。
ラスベガスからの帰途の機内で酔って大暴れしてリリアンから“まとめ役”のクビを通達されたアニーは、
遂に爆発する。

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おおざっぱに言えば親友をめぐる女同士の“粘膜下”の争いの映画で、
同姓の友達との関係は男の取り合い以上に壮絶な争いになるという話も聞く。
でもどの女子もジメジメ感ウジウジ感ドロドロ感ネチネチ感ゼロ。
“スーパー・ドライ”な喉越しスッキリの味わいなんである。
アニーの“対抗馬”でもある天然のお嬢様お馬鹿キャラのヘレンも、
アニーをさりげなく励ます寸胴ボディの豪傑“ケメ子”キャラのメーガンらもイイ。
コメディアンというより“芸人”だ。

“役者”揃いの中でも特に、
「やめたやめた! I don’t care! 勝手にしやがれ!」とばかりに
ここぞという時に尻をまくってそこいらのものをデストロイ!する立ち回りの主人公アニーに惚れる。
天国と地獄を同時に見せる顔がイイ。
さっそうとした一生懸命なズッコケぶりがイイ。
スレンダーな美形だからこそ落差が大きくて萌える映える。
悪いものを食べて他の女子たちが嘔吐と下痢で大爆発しているにもかかわらず、
自分が紹介した店でそうなった手前やせ我慢して必死に耐えて脂汗ダラダラのシーンは、
サディスティックな視点でも楽しめるのであった。

『ブライズメイズ』サブ5

女子はイロイロな意味で盛り盛り“食って”モリモリ“出す”エナジーの新陳代謝でパワーがふくらむ。
その核の食事のシーンとセックス・ネタも多い映画だが、
女子のたしなみであり女子の営みであるそんな命の根源の行為から産み出た言葉の数々が壮絶だ。
脚本と個々のアドリブでセリフが構成されたらしく、
女子が集うと刺激し合って淑女の仮面が次々と剥がれて普段溜め込んでいたと思しき言葉が次々と潮を吹く。
だが単なる下ネタじゃない。
エクストリームに下品である。
上品に見える女子たちがほとんどなだけに
ここぞという時にポロリと漏らしたり堰を切ったように出てくる下品な言葉はギャップが大きくて強烈だ。

一見品が良さそうな大人の女子たちがいわゆるストリート・レベルの卑語をどんどんどんどん口走る。
けどそれは“死ね!”といった類いの罵倒ではない。
ほとんどANAL CUNTなユーモアである。
小学生が“うんこネタ”を喜んでいるような、
中学生が“セックス・ネタ”を喜んでいるようなノリなのだ。

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女子高生とかがこういう言葉で話しているのはたまーに耳に入るが、
アラフォーの女子たちがフツーの顔で口に出し無邪気に吐き、
時に大噴火する。
同年代の男性が酔いにまかせて放言するのはよく聞くが、
彼女たちはほとんどシラフ。
「道路の真ん中でウンコしちゃった~~~~~!」とか感動したかのように大勢の人の前でのたまう。
それが映画の中で必然性を帯びているところがまた素敵である。

“asshole”“motherfucker”“cock”“cunt”などなど、
あけすけな卑語の発射にたくましい生命力をぼくは覚える。
日本語字幕だと放送禁止用語は伏せ字になってもいるので、
こういう露骨な言葉だけは英語で聞き取ってナマで味わいたい。
もうシンプルに大人のおんながこういう言葉をガンガン使っているのを見るだけで圧倒的だったりもするのだ。

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荒唐無稽で大騒ぎしてオシマイな映画も多いが、
むろんお馬鹿なドタバタ劇では終わらない。
女同士の友情もテーマの一つにしつつ女性たちの人生をさりげなくしっかりと描き込み、
締めるところはビシッ!と締めている。
特に七転八倒の人生を進む主人公アニーの“奮闘”は美しい。
ロマンスもしっかり設けている。
交通違反で縁を持った穏やかで機知に富む警官がアニーの生きる道の節目節目で登場して、
ほろ苦いシロップと甘酸っぱいスパイスで映画に大切な彩りを添える。
クレイジーな言動に困惑しながら表裏のないアニーに惹かれて
彼女が危機に瀕するたびに出くわす警官は、
アニーが自分自身でいられる空間をさりげなく作って包容していく。
これが運命の出会いっていうやつなんだなぁ・・・とジェラシーを覚えるほど“映画ジャック”していくのだ。

BLONDIE、AC/DC、HOLE、フィオナ・アップル、ブリトニー・スピアーズなどの
活きのいいポピュラー・ミュージックも映画を守り立てる。
歌詞の内容を考慮した思しき適材適所での挿入のタイミングや使った曲の長さも絶妙だ。
映画の中に“本人たち役”で出演するWILSON PHILLIPSの登場もファンの方々にはたまらないだろう。
WILSON PHILLIPSはBEACH BOYSの中核だったブライアン・ウィルソンの娘二人と、
MAMAS & the PAPASのジョン&ミッシェル夫妻の娘チャイナ・フィリップスによるヴォーカル・グループ。
ちなみにチャイナ・フィリップスの妹のビジョーは、
映画『ジャームス 狂気の秘密』でGERMSのベーシストのローナ・ドゥーム役を務めた人だ。

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どん底だろうが人に恵まれるのは日頃から人を引き付ける自立心を鍛えているからだとも思い知らされる。
拘束力が強く手垢にまみれてしまった“絆”じゃなく、
人と人のつながりの強さに笑いながら痺れる。

期待どおり!の結末と言えばそれまでかもしれないが、
だからこそ明日に生きる勇気も湧いてくる。
感動の大作では味わえない“ファック・ユー!”フィーリングで今居る“場所”を突き抜ける
女子力まんまんのパワフルな映画なのだ。


★映画『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』
2011年/米国/英語/125分/シネマスコープ
4月28日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国ロードショー。
(C)2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED
配給:東京テアトル 宣伝:アステア
http://bridesmaidsmovie.jp/


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コメント

セツクス・アンド・ザ・シティ!

こんにちは!

行川先生が「セツクス・アンド・ザ・シティ」を比較対象にしているのを見て、嬉しくなりました。
私も大好きです。
シーズン2に入ってこなれてからのエピが特に最高ですね。
行川先生はどのシーズンが好きですか?

ハリデイさん、書き込みありがとうございます。
リアクションが遅れて申し訳ない。引き合いにして書いた言葉は、試写会のときにいただいた紙資料に書かれていた言葉そのままです。『セックス・アンド・ザ・シティ』はテレビ・シリーズをちょろっと見た程度ですが、まあ多少でも見て雰囲気は感じたらOKかと思って書きました。
“女性版『ハングオーバー』”という宣伝文句も資料に書かれていましたが、『ハングオーバー』は見てないので言及しませんでした。
『セックス・アンド・ザ・シティ』はもっとちゃんと見たいところです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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