なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

16『Deep Cuts From Dark Clouds』

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LA産スラッジ・コア/メタルの老舗バンド16による約3年ぶりの6作目。
90年代初頭に結成して2000年前後は活動停止していたが、
2000年代後半に復活してからだと2作目に当たる。
メンバーは前作『Bridges To Burn』と同じだ。

パスヘッドのレーベルから出した93年のデビュー・アルバムの頃はよくHELMETが引き合いに出されたが、
殺伐とした世界観も含めてUNSANEに近い。
ただし16はもう少し音がメタル/ハードコア寄りで、
もっとパーソナルだ。
ドラッグまみれだったことを公言しているバンドだが、
“裏でシャブをヤって表で正義の味方”みたいな抜け目がないことはしない。
世間から逸脱した人間としてブレがない。

そもそもロックは他人を救う以前に自己を解き放たねば自滅する者の表現。
“暗雲からの深い傷”の10編が綴られたこのアルバムは潔い。
おのれを掘り下げることで見えてくる腐った精神の業火を燃やし続ける。
いかれたものをいかれたまま苦渋のハードコア・ヴォーカルで歌う。
サイテーをサイテーと叩きつける。
だが卑屈になるには豪胆すぎる。

情念で濡れず乾いた音なのはカリフォルニア産ならでは。
陽光が降り注ぐ青空の下で錯乱をコントロールしているみたいなサウンドだ。
メタリックというにはグルーヴィなリフのギター、
うねるくねるベース、
タメの利いたドラムで、
重低音サウンドながらもテクスチャーがわかりやすくノリがいい。
スローに沈み込むのではなく前のめりのスピード感がある。
“煉獄”を乗り越えんとする。

あらためて
16と共振するサウンドだった金沢のGREENMACHiNEが自分らの音楽を表していた言葉を借りれば、
“ハードコア・ロック”を深化させた一枚。

★16[シックスティーン]『ディープ・カッツ・フロム・ダーク・クラウズ』(リラプス・ジャパン YSCY-1239)CD
40分10曲入り。
日本仕様版は歌詞の和訳付。
実際のジャケットは↑の画像よりも背景がやや暗い黄緑色がかっている。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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