なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『ザ・マペッツ』

繧カ繝サ繝槭・繝・ヤ繝。繧、繝ウ_convert_20120516125202


ディズニーが贈る2011年のアメリカ映画。
人形劇と“人間劇”とのミックスで、
“王道”ならではのアメリカン・パワーに圧倒された。

“マペッツ”は
『セサミ・ストリート』で知られるジム・ヘンソンらが生み出したキャラクターたちのこと。
人形使いが手や腕で人形を操って口の動きに合わせて声を出し、
76~81年放映のテレビ番組『マペット・ショー』で人気を博した。

本作はマペッツたちに交じって
ゲイリー役で製作総指揮と脚本も担当のジェイソン・シーゲル(『ガリバー旅行記』)、
その恋人のメアリー役のエイミー・アダムス(『魔法にかけられて』)も物語をリード。
悪役としてクリス・クーパー(『アダプテーション』)、
テレビ局幹部役としてラシダ・ジョーンズ(『ソーシャル・ネットワーク』)、
有名人の司会者として指名された本人役としてジャック・ブラック(『スクール・オブ・ロック』)が出演し、
他にも様々な“役者”が多数“援軍”。
デイヴ・グロール(元NIRVANA、現FOO FIGHTERS)など、
様々な人が“カメオ(ちょい役)”で顔を出している。


アメリカの田舎町でゲイリーと育ったマペットのウォルターは。
前述の『マペット・ショー』の熱烈なファン。
結婚間近のゲイリー&メアリーのLA旅行に誘われてハリウッドに出向き、
『マペット・ショー』の殿堂のマペット・スタジオを訪れるもすっかり寂れていて、
石油王が狙っていた。

マペット・スタジオの取り壊しを阻止すべくウォルターたちは、
当時の番組の“ザ・マペッツ”のリーダーだったカエルのカーミットを探し出し、
事情を話して“ザ・マペッツ”の再結成を決意させる。
石油王と交渉して提示された無理難題のハードルをクリアーすべく、
世界中に散っていたマペットの仲間たちを集め、
テレビ局の幹部と交渉して再編“チャリティ・ショー”を行なう。
長年のブランクなどを乗り越えながらリハーサルを重ねてステージに立つが、
当日もすんなりと事は運ばず綱渡りのまま制限時間が迫る。
そしてドラマチックな圧巻のフィナーレに突入する。

繧オ繝・_convert_20120516125308

何から何まで鮮やかで明快な映画だ。
映像色といいストーリー展開といい
ディテールにこだわった様々な事物の作りといい、
古き良きアメリカン・テイストをモダンにアップデートしたかのようで、
問答無用にパワフル。
映像と音を身体で感じることで感動が高まるから、
映画館で見る必然性のある映画だ。

なんたってテンポがいい。
いつも書くように映画もリズム感が大切で、
たとえ荒唐無稽なストーリーであろうがリズムがしっかりしていれば最後まで持っていかれるのだ。

実際ミュージカルのように音楽とダンスが盛り込まれる。
本年度アカデミー賞の“主題歌賞”を受賞した主題歌「Man Or Muppet」はもちろんのこと、
50年代っぽい音楽からグラム・ロック風のバラードやラップまで披露。
特に音楽は出演者たちが歌ったりしてないシーンでも挿入され、
STARSHIPの「We Built This City(邦題:シスコはロックシティ)」、
AC/DCの「Back In Black」、
ゲイリー・ニューマンの「Cars」といった、
テレビで『マペット・ショー』を放映していた当時のアメリカでのヒット曲もたくさん使われている。

古き良きアメリカン・カップルそのものでパンチが効いたゲイリー&メアリーらの人物だけでなく、
登場するマペットたちもキャラが立ちまくりだ。
ゲイリーの“兄弟”のウォルターは内気で、
“ザ・マペッツ”のリーダーであるカーミットは温厚だが、
コメディアンやトイレ会社の社長やロックンローラーのドラマーなど
目立ちたがり屋で一生懸命なマペットが揃っている。

表情も非常に豊かだ。
“マペッツ(muppets)”とは“marionette”と“puppet”の合成語の複数形で、
“marionette”も“puppet”も“操り人形”の意味も持つが、
この映画のマペットたちは何者にも操られてない動きでも魅了する。
セリフも絶妙だ。
ディズニーの映画だから汚い言葉はないと思うが、
とぼけたユーモアもたっぷり。
根がシリアスなストーリーの中にズッコケでハッスルな言動が満載で、
映画のエネルギーをアップさせているのである。

むろん単に楽しく前向きなだけの映画ではない。
明快な作りの裏で色々と深読みもできる。
今の世でウケやすい“俗悪テレビ番組”がクレームでオン・エア中止となった穴埋めに、
“キレイ事”“時代遅れ”と言われる古き良き価値観の“ザ・マペッツ”の再編ショーが組み込まれる展開も、
その一つ。
何か“裏”があるとしてもGOOGLEなどの現実の企業名が次々と映し出されることで、
作品全体のリアリティを高めている点も特筆したい。
様々な人種の人間を一般の人物として随所に登場させているのも意図的だろう。
“ザ・マペッツ”のリーダーがアメリカン・マッチョ男子とは対極の優男のカエルで、
彼とのロマンスも見どころの紅一点の歌姫が強気でプライドが高く肉食キャラのブタという配役も、
日陰の生き物にスポットライトを当てた一種の逆襲にも思える。
随所で滲み出る哀愁もたまらない。
恋愛も絡めて素敵な“人間ドラマ”に仕上がっているのだ。


大人も十二分に楽しめるスリリングな快作だし、
親子で楽しめる人たちにジェラシーすら覚える映画である。


★映画『ザ・マペッツ』
2011年/アメリカ映画/1時間42分
5月19日(土)全国ロードショー。
http://www.disney.co.jp/
© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/747-9050bef2

まとめtyaiました【映画『ザ・マペッツ』】

ディズニーが贈る2011年のアメリカ映画。人形劇と“人間劇”とのミックスで、“王道”ならではのアメリカン・パワーに圧倒された。“マペッツ”は『セサミ・ストリート』で知られるジム・ヘンソンらが生み出したキャラクターたちのこと。人形使いが手や腕で人形を操って口...

ザ・マペッツ/そしてぼくらはおとなになって

ザ・マペッツThe Muppets/監督:ジェームズ・ボビン/2011年/アメリカ 子供時代を、忘れない。けれど、いつかはさよならをする。 昔、知り合いが「にこにこぷん」の同人誌を作っていたことがありました。番組が終了し仕事がなくなったじゃじゃまる、ぴっころ、ぽろり?...

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (291)
映画 (254)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (47)
PUNK/HARDCORE (413)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (94)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (121)
FEMALE SINGER (42)
POPULAR MUSIC (25)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん