なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

MOONLESS『Calling All Demons』

moonless.jpg


GORILLA ANGREBで叩いていたドラマー、
NO HOPE FOR THE KIDSのベーシスト、
LEATHERVEINのギタリスト、
GREAT VEILのシンガーによる、
デンマークのドゥーム・ロック・バンドのファースト・アルバム。
2000年代以降のかの地を代表するパンク・ロック・バンド出身者が中心だが、
むろん“即席ドゥーム”ではなく地に足が着いた一枚である。

正統派という言葉は使いたくないが、
スロー・リフを核としたドゥーム・ロックの王道の真ん中を堂々と歩むヘヴィ・サウンドだ。
長めの曲が中心ながらも、
BLACK SABBATHの初期の曲「Sweet Leaf」や「Snowblind」をベースにしたような
フック十分のしっかりしたソングライティングで耳に残る曲ばかりである。

ヨーロッパ・ツアーした際にサポート・アクトを務めてもらったCHURCH OF MISERYのメンバーも、
彼らにうなったという噂が伝わってきている。
実際曲はCHURCH OF MISERYや中期SLEEPを思い出すところもある。
パンク・ロック・フィーリングのドラムをはじめとして
いい意味でメタルのようにカッチリしすぎず粗い。
ギター・ソロも味わい深く、
サイケデリックな味わい。
ハードコア以降の加速度も内包し、
さりげないスピード感もストーナー・テイストである。

音と共振してヴォーカルからも歌心が溢れる。
パンク風にわざとダーティに脚色することはない。
パンク/ハードコアというよりまっすぐな歌唱でevilテイストを醸し出す。
ORANGE GOBLINやSPIRITUAL BEGGARSの歴代シンガーも想起するワイルドな渋い喉を震わせる。
骨っぽい表現力で引き込むと同時にデリケイトな響きだ。

歌詞は英語。
“The bastard in me”と内省的なニュアンスをはらみつつ、
“Can you be saved by the future”“I see the future”とも歌う。
アルバム・タイトル同様に暗示的だが、
ポジティヴに突き抜けるドゥーム流の表現も素晴らしい。
文章と同じく驕りも感じる難解な言葉の乱発は相手を煙に巻くようなもの。
ふつうの人の心に響く言葉なのだ。

これまた埋もれさせたくない佳作である。


★MOONLESS『Calling All Demons』(DOOMENTIA DOOM057)CD
鏡面みたいに銀色も使ったジャケットのデジパック仕様の約39分6曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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