なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Ihsahn『Eremita』

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ブラック・メタルを代表するバンドの一つであるEMPERORのフロントマンだった、
ノルウェーの男性音楽家イーサーンが約2年ぶりにリリースしたソロ4作目。

作詞作曲とヴォーカルと大半の楽器はイーサーン自身が手掛け、
ドラムはプログレッシヴ・メタル・バンドのLEPROUSのトビアス・アンダーソン、
曲によって入るサックスはジャズ・メタル系のSHININGのユルゲン・マンケビーが演奏している。
デヴィン・タウンゼンドがヴォーカル、
ジェフ・ルーミス(元NEVERMORE)がギター・ソロで、
一曲ずつに参している。

前作までの路線を推し進め、
ブラック・メタルの“ネクスト・ステップ”に挑むアルバムである。
EMPERORを支えていたヘヴィ・メタルの構築美をキープしつつ、
ブラック・メタル・チューンやドゥーミーなスロー・ナンバーから
“歌もの”とさえ言えるメロディアスなパートも含み、
プログレッシヴなロックを作り上げた。

以前のイーサーンのアルバム同様に、
むせび泣くサックスが適宜挿入されてヘヴィ・メタル・アルバムとは一味違う熱いテイストをもたらし、
楽曲をふくらませるのに一役買っている。
『Red』までのKING CRIMSONのような感覚でサックスが入ってくるのだ。
ところによってジャズ・ギターも忍ばせ、
民族音楽風のメロディも滲み出し、
ラストでは美麗な女性ヴォーカルも響く。
全体的に長めながらもツボを心得たソングライティングも光る。

インスト・ナンバーも含みつつ
スクリームあり穏やかな歌唱ありのヴォーカルが主体の作りと言える。
“ポスト・ブラック・メタル”の表現にも色々あるわけだが、
去勢されず刃は光ったままだ。
「Arrival」で始まり「Departure」で終わるという、
“皇帝”イーサーンのブラックな精神彷徨の一里塚たる一枚。


★イーサーン『エレミタ』(トゥルーパー・エンタテインメント QATE-10024)CD
日本盤は公開されている歌詞(英語)の和訳が付いた約53分9曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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