なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

CATTLE DECAPITATION『Monolith Of Inhumanity』

Cattle-Decapitation.jpg


米国サンディエゴ出身のデス・メタル・バンドの7作目。
初期はLOCUSTのメンバー在籍という点でも話題になっていたが、
彼らが脱退してからはデス・メタル的な隠喩表現が増しつつシリアスなアティテュードを強化し、
コンスタントな活動を続けている。

分離がよく音のメリハリがはっきりしているから、
これまで以上に曲のフックが目立つアルバムだ。
物事の捉え方の面でも影響が大きいCARCASSを思い出すギター・ソロも挿入。
ハードコア・パンクのフィールドから出てきたバンドならではの瞬発力をキープしながら
デスグラインドにシフトしたサウンドだが、
ブラック・メタルの影響も増えてきた。
と同時にヒトに対する鎮魂歌、
いや葬送曲みたいなクワイエット・ナンバーも違和感なく溶け込んでいる。

インダストリアルなSEを多少織り込み、
誤解を恐れずに言えばTRIVIUMも思い出すメロディアスな歌唱も要所でも大胆に盛り込み、
アルバム全体でドラマチックな構成になっている。
スタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』にインスパイアされた作品らしい。

デス・ヴォイスにスクリームを織り交ぜたヴォーカルが吐く言葉は人間を問い人類そのものを掘り下げ、
曲によっては強硬意見とも解釈できる。
だが何もかもエクストリームじゃないとデス・メタルじゃないし、
音と同じく“夕焼け見ながら即席平和”の姿勢とは真逆のロックの極端な表現として必然的な内容だ。
もちろんEARTH CRISISの流れのニュースクール・ハードコアとの接点も多いわけだが、
OLD MAN GLOOMの『No』にも通じるテーマと言える。
なによりCDの盤面と16ページのブックレットの随所には、
CRASSのシンボル(ロゴ)にも組み込まれ、
GOJIRAのアルバム『The Way Of All Flesh』のアートワークにも使われた、
“尾を飲み込む蛇”のウロボロスが描かれていることがあまりにも象徴的である。

ホラー映画系デス・メタルとは一線を画す、
リアリスティックなデス・メタルを更新した一枚。


★CATTLE DECAPITATION『Monolith Of Inhumanity』(METAL BLADE 3984 15094-2)CD
CEPHALIC CARNAGEのメンバーもゲスト・ヴォーカルで参加した約43分11曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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