なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

D・O・T at 青山レッドシューズ 9月15日

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D・O・Tは、
あぶらだこのHIROSHI(b、backing vo)、
あぶらだこ~LIP CREAM~LAUGHIN' NOSEで叩いてきたMARU(ds、backing vo)、
世界初の女性ハードコア・パンク・バンドのNURSE時代はNEKOと名乗っていたREIKA(vo)
によるギターレス・トリオである。
東京のスラッジ・コア系バンドのDOT(.)や
元MUSICのメンバーなどによる英国のデュオのThe D.O.T.とは関係ない。

あぶらだこのオリジナル・リズム隊のHIROSHIとMARUがD・O・Tを結成。
一方NEKOはNURSEで83~84年に活動した後にエジプトへダンスを習いに赴き、
現在も日本におけるエジプト舞踏の第一人者として活動している。
そんなNEKOが27年ぶりにHIROSHIとMARUに再会し、
その二人もアラブ音楽に興味を持っているということで意気投合。
“ADK Recordsファミリー”の成せる業ってやつだ。

そしてこの晩、
新生D・O・Tとして第一弾であり、
NEKO復活としても第一弾のライヴが行なわれたわけである。

dot.jpg

いきなり聞き覚えのあるメロディの曲から始まる。
ハードコア・パンクから幅を広げた後期NURSEの名曲「赤い月」であった。
“後期NURSEの流れを汲んでいる感じなのかなと勝手に想像している”と
数日前にREIKA/NEKOに言ったばかりだったから、
まさか・・・・・!?とビックリしたが、
NURSEからの自然な流れも見せたいという彼女の気持ちも感じられる。
それはともかくこれがまたHIROSHIのうねるベースが
エリック・ウッド(MAN IS THE BASTARD、BASTARD NOISE)を彷彿とさせ、
MARUのドラムも強靭だから、
同じくギターレス・バンドのMAN IS THE BASTRADのリズム隊みたいで痺れたのである。

続いてはツー・ビートの速いリズムが反復する曲で“トランス・ハードコア”とも呼べそうだったが、
いい意味でクラブなオシャレさはなく原始的でフリー・フォームな味わい。
これまたパンク/ハードコアを起点に個々で深化そして進化していった三人のバンドならではだ。
他にはポップな曲あり歌ものっぽい曲ありでヴァラエティに富み、
多彩な色を見せてくれた。
確かにアラブっぽい旋律やリズムも聞こえてはくるが、
そんなに民俗音楽民族音楽はしてない。
プリミティヴなビートが続いたかと思えばツー・ビートのハードコア・パンクに加速したりと、
どんどんどんどんおもしろいことをやっていったのである。

HIROSHIとMARUがヴォーカルを差し入れる曲が多いのも特徴。
これがまたなかなか渋い喉を響かせるのだ。
もちろん聴きどころのひとつがREIKAのヴォーカル。
これがまたいい意味でNURSE時代と変わってない。
個人的には“まさか今この時代にあのヴォーカルがナマで聴けるとは・・・”と
しばし感慨にふけった。
けど“相変わらずのパンク・ヴォーカル”に留まっているわけでもなく、
たおやかな歌声も聴かせてくれるのであった。

D・O・Tは必ずしも“歌+演奏”というヴォーカル主導のバンドではない。
ヴィジュアルも魅力だ。
インスト・パートが長めの曲もあり、
そういう曲では特にREIKAの舞も際立つ。
あでやかな黒の衣装に身をまとったREIKAのダンスは本格派で、
エジプト舞踏のことをまったく知らないくせにあえて書くと、
まさに“アラブの舞”のイメージの踊りで楽曲の表情をふくらませていったのである。

立ち見もできるとはいえカウンターやテーブルのあるバーの一角で行なったライヴだが、
お客さんはみんなD・O・Tのパフォーマンスに釘づけだ。
いわゆるライヴ・ハウスではないから高台のステージがないことを活かし、
REIKAは客席の中に入って行って数人のお客さんの手を引っ張って“ステージ”の方に呼び寄せ、
コーラスをしてもらったシーンも微笑ましかった。

終演後ぼくはそこはかとなくハッピーになっている自分に気づいた。


11月22日(木)には
<“ヤンラ・ビーナ!!” NEKO完全復活!新編成! “D・O・T” ワンマンライヴ>が、
渋谷チェルシーホテルで行われる。
swaraga / DIGZIGの川上啓之(ex.突然段ボール、 町田町蔵&人民オリンピックショウ、JOY、
Canis Lupus、virus、 evil school)がサポート・ギターを務めるらしく、
またまたおもしろいことになりそうである。


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コメント

凄い事になってますね。次は必ず行くと思います。赤い月は新境地の曲でしたよね。次もやって欲しいです。

質問が…

こんばんは。行川さんに質問があります。灰野敬二ドキュメント映画のコマーシャルの中でギターとボーカルのみで歌っている灰色のエコーがかかったあの曲…(ここの。。まえには。。、と聞こえます)収録のアルバムを教えてほしいのです。よろしくお願いします。

BASTARD NOISEのライブ見たことねーくせによく言うわ

???

>和彦さん
あなたは何の根拠があって行川さんんがBASTARD NOISEのライブを見たことがないと断言出来るですか?
これだけハッキリとエリック・ウッドを引き合いに出しているだから、絶対見てますよ。
海外のフェスで見てるかも知れないでしょ?

書き込みありがとうございます。
BASTARD NOISEは初来日公演の時には高円寺20000Vで、2度目の来日公演の時には新宿URGAで観ています。これはHIROSHIさんが昔からMAN IS THE BASTARDに関心を寄せていましたことを踏まえての記述でもあります。
>かくさん
このライヴのあと「まだまだ曲はたくさんある」と言っていましたが、少なくてもワンマンでは「赤い月」をやるのではないでしょうか。
>STさん
そのコマーシャルは観ていませんが(予告編ですかね)、あの映画の中でエレクトリック・ギター弾き語りでやっているのは確か最後の方の一曲だけだったと思います。その曲は昔からライヴでよくやってきている曲で、いくつかのCDに入っていると思いますが、『慈(いつくしみ)』にも収録されていたのではないかと。そのアルバムは91年末の仙川ゴスペルでのライヴですが(灰野敬二のアルバムはほとんどん゛ライヴ録音です)、同じくエレクトリック・ギター弾き語りで一種の歌ものとしても楽しめて聴きやすいですからオススメです。

『慈』ですね。ありがとうございました。チェックしてみます!

初来日と二回目のBastard Noiseってバンド編成じゃなかったんじゃあ・・・

>あさん
2回目はPHOBIAの人がドラムを叩いた、いわゆるバンド編成でしたね。

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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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