なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

VELVET UNDERGROUND『Live At End Of Cole Avenue In Dallas TX, 27th October 1969』

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様々な“発掘モノ”のリリースが連続する中で出たタイトルどおりのライヴLP。
これまた“灰色盤”だろう

A面には「Sister Ray」「Lisa Says」「Rock’A’Roll」(クレジットされたスペルのまま表記)、
B面には「The Jams 1st」「The Jams 2nd」「The Jams 3rd」「The Jams 4th」という曲が入っている。
クレジットが正しければ、
以前紹介したLP『Live In Dallas, TX : 28 October 1969』と同じく
74年に発売された『1969: The Velvet Underground Live』と同時期のライヴということになるが、
その2作品とほとんど曲がダブってない。
いわゆる代表曲を並べて毎日同じセットリストでツアーを続けるバンドとは根本的に意識が違う。
VELVET UNDERGROUNDはリスナーの期待に合わせない。
敬意を表しているからこそサディスティックなほど自分らに忠実だ。
同じことはやらない何が起こるかわからない音楽だから
VELVET UNDERGROUNDにハマった者は散財する。

18分弱に及ぶ「Sister Ray」が凄まじい。
ジョン・ケイルの色が濃い68年の『White Light/White Heat』のヴァージョンほど破壊的ではないが、
ダグ・ユールのキーボードのドローンで脳髄がとろとろとろとろ溶けていく恐ろしいテイクである。
「Rock’A’Roll」は70年の4作目『Loaded』に収めてルー・リードが終生歌い継ぐ名曲「Rock & Roll」だが、
「Lisa Says」の流れでアコースティックな趣で、
漏れ聞こえてくる女性のものらしき歌声はモーリン・タッカー(ds)の声だろうか。
スタジオ・セッションのようにも聞こえる非常に興味深いテイクだ。

B面の“4トラック”はブルース~ロックンロール・セッションのインストである。
ところによっては歓声も聞こえてくるからやっぱりライヴだろう。
けど“これはVELVET UNERGROUNDの演奏か?”という疑念も抱き、
“この音のどこにルー・リードがいるのか?”と思ったりもするが、
69年の『The Velvet Underground』収録の「What Goes On」の変形みたいな曲もある。
QUICKSILVER MESSENGER SERVICE風のギターはルー・リードだろうかスターリング・モリソンだろうか。
だが決して垂れ流しではなくダラダラしているわけでもなく、
このバンドだけが持ち得た蠱惑的な音像がひたすら愛おしい。

A面が約26分強でB面が30分弱という、
音質的に物理的に限界があるLPの収録時間ギリギリに収めている。
というわけで音のダイナミック・レンジが最高!とは言いがたいが、
LP制作関係者の尽力だろうかステレオ・アンプのヴォリュームを異様に上げなくても音はでかく、
各パートがけっこうよく聞こえるし場の匂いまでレコーディングした臨場感が素晴らしい。
日本のバンドのCDによくある “ひらべったくて奥行きのない音”とは雲泥と言いたくなるし、
こういうレコードで感覚を鍛えると音楽だけでなく世の中の物事の捉え方も違ってくるはず。

音楽いやロックの魔力をあらためて知らしめるレコードである。


★VELVET UNDERGROUND『Live At End Of Cole Avenue In Dallas TX, 27th October 1969』(B13 B176)LP
いわゆるジャケットは無しだが、
クレジットがプリントされた透明ビニールの“インナー・シート”封入の青色レコード。


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コメント

はじめまして。ピストルズの精神を受け継ぐべくバンドを結成したので聴いてみて下さい。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm19221458

auroraさん、書き込みありがとうございます。
了解しました。

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まとめ【VELVET UNDERGROUND『】

様々な“発掘モノ”のリリースが連続する中で出たタイトルどおりのライヴLP。これまた“灰色盤”だろうA

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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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