なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

VELVET UNDERGROUND『The Verve / MGM Albums』

vu-boxes1.jpg


LP5枚組のボックス・セット。
『The Velvet Underground & Nico』(67年)、
『White Light/White Heat』(68年)、
『The Velvet Underground』(69年)、
最初の3枚のオリジナル・アルバムのモノラル・ヴァージョンに加え、
VELVET UNDERGROUNDのメンバーがバックアップした
ニコのファースト・ソロ・アルバム『Chelsea Girl』(67年)のモノラル・ヴァージョンと、
VELVET UNDERGROUNDの69年のスタジオ録音音源を10曲収めた『1969』が入っている。


それにしてもさんざん聴いた音源なのにこの新鮮さはなんなんだろう。
いまだ発見ありありなのである。
オリジナル・マスター・テープから作られたレコードというのも大きいのかもしれないが、
モノラル・ヴァージョンで鳴るレコードによって楽器もヴォーカルも原始の生々しさを呈し、
奥が見えない底が見えない。
ステレオのレコードやCDなども
オーディオ・システムのステレオのアンプをモノラル設定にすればモノラルで鳴るわけだが、
やっぱり違うのだ。
プリミティヴなサウンドの魔術と魔力に痺れる。
音楽に向き合うことはいつでも未知なる体験になりえることも知らしめる。
無数のフォロワーに多い頭デッカチとは違って実は肉体的、
すなわちメンバー全員(+ニコ)の根が“ロックンローラー”だったことも再認識できる。

『1969』と題されたレコードは69年の5月から10月までにレコーディングされた音源で、
すべてレコーディング日が違う。
ただしクレジットされた録音日から察するにすべて既発表で、
「Foggy Notion」「One Of These Days」「Lisa Says」「I'm Sticking With You」「Ocean」
「I Can't Stand It」は編集盤『VU』、
「I'm Gonna Move Right In」「We're Gonna Have A Real Good Time Together」「Rock And Roll」
「Ride Into The Sun」は編集盤『Another View』などに収録されてきたものである。
というわけで未発表音源と思って聴き始めると拍子抜けするが、
『The Velvet Underground & Nico』『White Light/White Heat』『The Velvet Underground』と続けて聴くと、
これが4作目のオリジナル・アルバムに思えてくる曲の構成になっている。
サード・アルバム『The Velvet Underground』と、
「Rock And Roll」を“再録音”した実際の4作目『Loaded』の間にくる作品なのは間違いない。

ニコのファースト・ソロ・アルバム『Chelsea Girl』は、
モーリン・タッカー以外のVELVET UNDERGROUNDの3人がソングライティングや演奏でサポート。
他にジャクソン・ブラウンがギターとソングライティングで参加という、
後のそれぞれのイメージを思えば一枚のアルバムで同居することはありえないから面白い。
音楽的には打楽器無しのフォーク・タッチのサウンドながら当然サイケデリックな磁場が生まれ、
既にこの時点でニコはおのれの“業”の上で好き勝手に踊っている。
マリアンヌ・フェイスフルの『Broken English』にも曲を提供した、
米国のシンガーソングライターであるティム・ハーデンの曲もやっている。
ボブ・ディランの「I'll Keep It With Mine」も歌っており、
その曲を前述のマリアンヌ・フェイスフルも後にカヴァーしたことで“宿命の女”のつながりを思う。


今回の『The Velvet Underground & Nico』は二つ折りジャケットだが、
バナナの中身がモロ出し状態になっていて皮のシールが別に付いている。
四つ折りポスター2枚も封入だ。
箱自体は頑丈な作りとは言いがたいから取扱いに注意である。

あと少なくてもぼくが買ったものは、
『The Velvet Underground & Nico』以外の地の色が黒い4作のジャケットの表面が、
ところどころカビやスレみたいに白くなっていた。
製造上の問題だと思われるが、
部屋のレコードの管理状態が悪いぼくですら気になったから、
綺麗な状態を重視するコレクターの方はもっと気になるのではないだろうか。
レコード自体は綺麗だ。

やはり何かしらのフォーマットで既にアルバムを持っていても、
ある程度重度のVELVET UNDERGROUNDのファンならば手元に置いておきたくなる宝箱である。


★VELVET UNDERGROUND『The Verve / MGM Albums』(SUNDAZED VU 4003)5LP


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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