なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

DOORS『Live At The Bowl ‘68』

DOORS『Live At The Bowl ‘68』


ジム・モリソン(vo)がフロントに立ったLA出身のDOORSによる68年7月5日のライヴDVD。
サード・アルバム『Waiting For The Sun』のリリース直前のステージで、
ボーナス映像も含めてトータル約135分楽しめる。

DOORSのライヴ映像の中でも有名なハリウッド・ボウルでのパフォーマンスだが、
「Hello, I Love You」「The WASP (Texas Radio And The Big Beat)」「Spanish Caravan」が初公開で、
ここに収められた本編19トラックが当日のフル・セットらしい。
DOORSのアルバムのレコーディング・エンジニアを務めてきたブルース・ボトニックが、
本作の音のミックスとマスタリングを手がけている。
鮮烈な音に磨かれたパーフェクトな音の仕上がりは言うまでもなく、
多少デジタルな感触になっているとはいえ映像の質感も悪くない。


DVDの本編のライヴは19トラックを71分で駆け抜ける。
インプロヴィゼイションらしきパートも含みつつ彼らのライヴにしては一曲一曲コンパクトにまとめ、
長い曲が苦手な方も入っていきやすいライヴだ。
ジムを中心にじっくりと4人のメンバーを映しつつ遠めの映像も効果的に使ったシンプルな編集により、
重厚な味わいを増している。

贅肉を削ぎ落として小賢しい仕掛けを必要としないハードボイルドなステージングは芝居っ気ゼロ。
ハードコアとすら言えるほどストイックだ。
ライティングも必要最小限だからメンバー4人が“裸”で映し出される。
とりわけ艶やかで時に荒ぶるヴォーカルそのものの強靭な震えはもちろんのこと、
腰と脚を微動させながらスタンディング・マイクを握り続けて歌う落ち着き払ったジム・モリソンの姿は、
妙な自意識過剰で幼稚なパフォーマンスのバンドが単に自信がないだけに見えてくるほど達観している。
おちゃめな動作とトークもちょろりと見せてラストの「The End」では軽やかな踊りも披露する。

このオーラはカリスマ性云々以前に
自分のために歌いたいから歌う演奏したいから演奏する強さゆえに他ならない。


ボーナス映像は、
ハリウッド・ボウルにまつわるドキュメンタリーが約20分、
このライヴにまつわるエピソードが約19分、
このDVDを仕上げるに当たっての映像面などの制作秘話が約14分が入っている。
ジョン・デンズモア(ds)とレイ・マンザレク(kbd)、ブルース・ボトニックもコメンターとして登場し、
英語とスペイン語とフランス語の字幕も出るから聞き取れなくても英語を読める人ならどうにかなる。
さらに「Wild Child」「Light My Fire」のテレビ・ショウでのライヴと、
ライヴ映像を使った「Gloria」のミュージック・ヴィデオも見られる。

この時期までの代表曲はほとんどやっているからDOORSの入り口としてもオススメだ。


★DOORS『Live At The Bowl ‘68』(EAGLE VISION EREDV945)DVD
ブルース・ボトニックのライナーも載った8ページのブックレット封入。


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コメント

オルガン奏者

こんばんは。【THE DOORS】【IRON BUTTERFLY】【DEEP PURPLE】などオルガン奏者がいるバンドは独特の雰囲気があって昔から好きです。

AMEBIXが再び解散してしまいましたね

書き込みありがとうございます。
>検視官さん
オルガンはクラシカルでありつつピアノよりもレトロで不思議と大衆性があり、あとやっぱりドローンの音なのもポイントですね。
>新井さん
そうですか・・・復活アルバムが気に入っていただけにライヴが観たかったですね。忘れたころでも構いませんからまた復活してほしいものです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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