なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

BAD BRAINS『Into The Future』

Bad-Brains-album-cover.jpg


『Build A Nation』以来の約5年ぶりのアルバム。
80年にシングル「Pay To Come」でレコード・デビューした時のお馴染みのメンバーによる録音だ。

ハードコア・パンク・ナンバーあり、
パンク・ロック・ナンバーあり、
レゲエ・チューンあり、
『I Against I』や『Quickness』に入れても違和感がないハード&グルーヴィな曲あり。
パンク・ロックとレゲエが一曲の中で混在して長いギター・ソロが入る
今までありそうでなかった曲も披露している。
『Build A Nation』以上に80年代のBAD BRAINSを凝縮したような曲で構成されている。

前作をプロデュースしたBEASTIE BOYSの故アダム“MCA”ヤウクに捧げられ、
ラスト・ナンバーは「MCA Dub」という曲である。
今回はダリル・ジェニファー(b)が中心になってバンド全体でプロデュースしており、
そのためか『Build A Nation』ほどタイトではなく、
アルバム全体の構成も含めてBAD BRAINSならではゆるい味わいに覆われている。

ヴォーカルも演奏もちゃんとしている。
確かに“それっぽい”曲で構成されている。
曲名から察するに歌詞では“愛”を説いているようだし、
これがPositive Mental Attitudeなのだろう。

ただしあくまでも“2012年ヴァージョン”。
うつろな声とうつろな音に聞こえて、
レイドバックしたムードのこのアルバムから生き生きしたものをぼくは感じ取れなかった。
自分が“Negative Mental Attitude”の方向に進んでいるからかもしれないし、
別の原稿を書くために79年録音のデモ集『Black Dots』を聴いた直後に接したからかもしれない。

ちょっと時間をおいて再チャレンジしたい。


★BAD BRAINS『Into The Future』(MEGAFORCE No Number)CD
四面デジパック仕様の約32分13曲入り。


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コメント

Negative Mental Attitudeと言えば行川さんってCFCみたいなビートダウンハードコアも聴いたりするんですか?

こんにちは

Bad Brains、今のところ行川さんとほとんど同じ感想です。
前作よりは80年代の作風に近くてなじみやすいなあ、なんて思ったりもしましたが、やっぱりあの当時のテンションに比べたら...
比べたらいけないのかもしれませんが、年齢を重ねることとプリミティヴな表現欲求を保つことは、両立すると思うので。その点、本作には、「型」以上のものをまだ感じ取れていません。
もう何回か聴いたらこれはこれでいいなとなるでしょうか。私もまたチャレンジしてみたいと思います。

インタビュー

こんばんは。DOLL2000年12月号におけるH.R.(当時はSOUL BRAINS名義)への行川さんによるインタビューはいろいろな意味でとても印象に残っています。【形質転換】【輪廻転生】という言葉まで飛び出しましたし。でも行川さんにとってあまりいい思い出ではなかったとしたら申し訳ないです。

確かに演奏や曲調は80年代のそれに近いのですが、此処数年のライヴ映像から、直立不動で或いは最近はギターを弾きながら虚ろな目つきと表情で"Banned In DC" "Sailin' On" といった往年の血沸き肉躍る名曲をボソボソと呟くように調子っ外れの音程で「歌う」HRの姿を見ていれば、このような出来になることは想像しておりました。

憑き物が落ちた、或いは神がかったという言い方もあると思いますが、80年代、彼等に熱狂した者としては大きな空虚に思えてなりません。イスラエルをVo.に据えて初来日した際も感じたのですが、もう「あのBAD BRAINSは此処にはいないのだな」と改めて感じると共に、こんなHRでも大暴れしてるお客さんの姿を見ていると凄く虚しい気持ちになってきます。

書き込みありがとうございます。
>新井さん。
CFCは聴いたことないです。ビートダウンと呼ばれる系統はほとんど聴いてないですね。
>Fripperさん
80年代の頭から終わりまでの曲の要素をまとめたみたいだからこそ、余計キツイものがあります。クサも宗教も全面否定はしませんが、そのダメな影響が全面に出ている印象もあります。ホモセクシャル嫌悪など色々知るにつけBAD BRAINS幻想はとうになくなっているとはいえ、そういった信条を別にしても演奏テクニックに裏打ちされた手癖だけで作ったみたいで音楽として力がイマイチかと思います。
>検視官さん
あのインタヴューは貴重な体験でした。まともな会見が難しいとされているヴォーカルのHRと、通訳さんをはさみつつ冷静な対話ができましたから。自らビデオ・カメラで撮影しながら歌ったその前日のステージングもcrazyでしたが、読んでのとおりインタヴューでのHRは正真正銘insaneでした。
>BANDITさん
最近のライヴ映像は見ていませんが、やっぱり“うつろ”という言葉がピッタリなのですね。クサのやりすぎで頭がぶっとんだという説以前に、吸い過ぎが一因かもしれませんが根本的にHRは体力的にイマイチなのではないかとも想像しました。イスラエルがフロントに立った初来日公演は観なかったですが、実質的な2度目の来日でHRの初来日公演のSOUL BRAINS名義でのライヴの印象に近いアルバムです。年齢的な衰え以前に基本的な情熱の問題だと思います。ラスタ化する前のライヴや、日本盤DVDも出た80年代初頭のニューヨークでのライヴの映像を思えば、“同名異バンド”とすら言えるというか。当時のメンバーが同じで音楽の体裁が整っているだけに、むなしさが募ります。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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