なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

RUPTURE『Jubliee 49 Greatest Hates』

rupture_jubilee.gif


オーストラリア出身の高濃度“毒ガス”ハードコア・パンク・ロック・バンドの編集盤。

約72分47曲を一気に聴かせる。
やはりタダモノじゃない。

ヴォーカルのガス・チェンバーが亡くなってからも未発表音源などのリリースが途切れないが、
これは22種類の単独作やスプリット盤やオムニバス盤で発表した中から1~7曲ずつ抜粋した
91~98年の音源である。
世界中の熱狂的なマニアもコンプリート・コレクションするのが困難なほど
様々な形で精力絶倫に音源を射精しまくってきているバンドだし、
手軽に入手できる音源が少ないし安価で売られているからRUPTUREの入り口としてもありがたいCDだ。

曲順は時系列ではなくてバラバラ。
クレジットによればリマスタリングされているみたいだが、
元の音質があまりにもバラバラだからか曲によって音量の差が大きい。
生まれてから風呂に入ったことがなくて恥垢まみれで汚臭漂う音だからこそ
シャワー浴びた響きみたいなのじゃ困るしわざとらしくノイジーなのもウソだから、
発表した音源によって音質も重要だったりもするバンドである。
リマスタリングの音の微調整でどうしても変わってしまうわけだが、
それでもゆるゆるゆるなトーンの異常さは永遠に“修正”不能の素晴らしさ。
痺れるしかない。

ヘイト・スピリットの無数の精子が泳ぐゲロと下痢が津波の如く渦を巻き垂れ流されて自爆している。
一日48時間はシラフじゃないのであろうリズム感覚が完全にイカれているし、
聴覚もマトモじゃないのであろう音色がイカれている。
だがキメていようか酔っていようがヤる気マンマンなら勃つもんである。

決して世の中に対して無関心なわけではなく、
それどころかあっちこっちの政治的/社会的な問題に本音で向き合ったからこそ排泄された豊富なネタの曲。
いわばSEX PISTOLSの精神を加速させたようなバンドである。
“みんなで力を合わせて世の中を良くしましょう!”みたいなのに対しては容赦なく“fast fuck”する。
“パンクス”もひっくるめて“良識派”の欺瞞のassholeを冷笑の汁まみれで“fist fuck”する。
歌詞カードがない代わりにRUPTUREを理解すめためのいい手助けになるであろう、
ライナーで書かれた“RUPTURE HATES ~”のリストがいちいち楽しくうなずける。
6分を越える最後のパーティ・ソングもサイコーだ。

公序良俗を凌辱することに関して90年代にANAL CUNTと王座を争っていたようなバンドだが、
どっちもフロントマンが他界してしまった。
ヘイトなチャンピオン・ベルトを天国いや地獄で奪い合っていることだろう。

ある意味アトランダムに曲が並んでいるから意外とキャッチーなソングライティングにも気づかされる。
パンク・ロックでありハードコア・パンクでありファスト・コアでもあるが、
ニヒリスティックなロックンロールの究極と言い切りたい。


★RUPTURE『Jubliee 49 Greatest Hates』
(MONEY MOTHERFUCKER / REST IN PUNK / KANDER MOSH MMR001 / PWETH.WA / MOSH013)CD


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コメント

亡くなっていた事は初めて知りました。このバンドはスカムっていう言葉が本当に似合わないですね。本物だからって事なんですが。音楽も音量のバラバラ具合も、どう思われようが構やしないっていうのが全く嘘臭くなくて最高です。ぼくは「GOSPEL FROM THE GUTTER」っていう編集盤を今も愛聴してます。90年代に入ってからのは「AUSTRALIA DAY」っていうライブが1番好きです。弟バンド的なHEISTっていうのも1曲目は今だに唸りますね。ホント、地獄でSETHとやり合ってて欲しいですね。

かくさん、書き込みありがとうございます。
NAPALM DEATHみたいな以外もありますが、scumはサブカル用語になってしまっていますからね。そう、一見ろくでもないことばかり歌っていてもRUPTUREが愛されるのは嘘くさくないからでしょう。DROPDEADやSENSELESS APOCALYPSEともスプリットEPを出していましたし。『GOSPEL FROM THE GUTTER』も曲が詰まっていましたね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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