なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

CRYPTOPSY『Cryptopsy』

CRYPTOPSY.jpg


カナダの東部ケベック州で結成されたデス・メタル・バンドの4年ぶりの7作目。

2001年の10月に行なわれたイベント“エクストリーム・ザ・ドージョー”の第一回目の出演バンドが、
NASUM、CANDIRIA、CRYPTOPSYだったことを思い出すアルバムだ。
個人的に昔からカオティック・ハードコアのような感じで楽しんでいたが、
贅肉を削ぎ落として瞬発力とスピード感に満ちた音と曲の本作はまさに!なのである。

テクニカルなバンドながら“能ある鷹は爪を隠す”とばかりにそういう演奏を簡潔に抑え、
むろん勢いにまかせることなく鮮やかに殺戮の音を差し入れる。
ポイント押さえて核のみを凝縮した8曲を約35分で駆け抜ける疾風怒濤の会心のアルバムである。
音の具が詰まっているにもかかわらず風通しがよく、
一種の“空気穴”みたいに音のすきまを無意識のうちに作っているのも心憎い。
ジャズや民俗音楽をちょろりと忍ばせているのも象徴的だ。

オリジナル・メンバーではないとはいえ中心人物のフロ・モーニエ(ds)と共に
94年のデビュー・アルバム『Blasphemy Made Flesh』からバンドの中核だったにもかかわらず、
前作レコーディング時に離脱していたジョン・レヴァサー(g)が復帰したのも大きい。
2本のギタとベースとドラムのデッドヒートが格別で、
ミディアム・テンポのパートを含めても加速度が止まらないのが凄い。
やはり永遠に音を走らせる92年加入で最古参メンバーのドラマーのセンスが超絶もの。
テクニシャンが多いデス・メタル界の中でも屈指のドラマーなわけだが、
力いっぱい叩けばいいってもんじゅないし速きゃいいってもんでもなく、
ジャズのフィーリングも感じさせる。
本作から加入した新ベーシストの意外とファンキーにハジけた音も隠しスパイスである。

今回はヴォーカルもデス・ヴォイス・オンリー。
うめき咆哮は感情の自家発電自爆型である。
“you”という単語を使わない点にも書き手のヴォーカリストの意識が表れた歌詞は冷厳な映画みたいで、
身も心も引き締まるのであった。

痛快爽快血湧き肉躍るオススメ盤。


★CRYPTOPSY『Cryptopsy』(DEFEN SOCIETY CR007)CD
細かい字で歌詞が載った12ページのブックレット封入。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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