なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Lou Reed with Nico and John Cale『Paris 1972』

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72年の1月29日のライヴをモノクロで撮ったDVD。
CD『Bataclan 72』と同じステージから実質5曲が収められている。
これまた最近ルー・リード関連で多い“灰色リリース”と思われ
本編と違うジャケットだけでなく中身の作りにも不備はある。
でも日本製のDVDプレイヤーで再生可能だし、
なにしろ戦慄が走る実質5曲入りの20分強である。

VELVET UNDERGROUNDの67年のファースト・アルバム『Velvet Underground & Nico』の中核だった、
三人の奇跡の再会である。
みな我が強すぎて一緒に続けることは難しかったようで、
ジョン・ケイルはニコを何度もサポートしてきたが、
ルーは二人と確執が続いて特にニコに対しては彼女が他界してからも突き放した態度を貫いている。
だからこそ興味深いシーンも見られる映像だ。

ルーはアコースティック・ギター、ジョンはピアノとヴィオラを腰かけて演奏している。
このライヴの直前の時期に録った思しきルーのファースト・ソロ『Lou Reed』に収めた「Berlin」と
『Velvet Underground & Nico』の「Waiting For A Man」「Heroin」はルーがリード・ヴォーカル。
4曲目もそのアルバムに収録した「Femme Fatale」でニコが立って歌っている。
5曲目の「Ghost Story」はジョンの70年のソロ・デビュー作『Vintage Violence』の曲だから、
もちろん彼が歌っている。
そして6曲目は「Ghost Story」と一緒にトラック5の中に収まっていて4曲目と同じ「Femme Fatale」。
テレビ放映のときのものと思しきテロップが最後に流れる「Femme Fatale」が実際は最後にくる曲で、
4トラック目の方にも「Femme Fatale」を入っているのは製作ミスだろう。
全体の流れを損なわないためには不要な4トラック目を飛ばして見る必要がある。
映像と音のズレも多少目立つ。

とはいえ「あれ・・・・?」と一度思うだけで大きな問題ではない。
ステージの上で2台ぐらいのカメラがけっこう間近で3人をとらえている。
ニコは「Femme Fatale」以外ではプレイせずただ座っているだけみたいだから、
ルーとジョンのアップが大半だ。
クリアーじゃないとはいえ画質はファンなら十分見られるレベルで、
テレビ放送用に撮影されたからかアングルなども良好だ。

永遠の好敵手であり続けるジョンとルーだけの「Ghost Story」と
以降修復されなかった仲のニコとルーだけの「Femme Fatale」で、
それぞれ二人が目を合わせて苦笑するシーンも見もの。
たった21分の映像でもドラマがいっぱいなのである。


★Lou Reed with Nico and John Cale『Paris 1972』(XXL MEDIA 5137)DVD


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コメント

明けましておめでとうございます

今年も行川さんのブログやレビュー楽しみにしています。そして参考にさせていただきます。


僕は去年の年の瀬は

灰野敬二さん(SOLO、不失者)

IRONFIST辰嶋さん(DIE YOU BASTARD!、schreckwurmer)の
『REAL轟音LIVE』を立て続けに観れて、感無量でした♪

CDの内容は好きですね。映像もあったんですね。時期的にこの時の3人の集まりは後のVELVET再結成より奇跡的に思えます。ブートで「BEDROOM TAPE」っていうやつの内容が68年のニューヨークのホテルの一室のルーとニコなんですが、ルーがアコギをバックにニコに歌をレッスンしているみたいな内容なんですが、さすがにキメないと無理だったのか、ルーはかなりダウナーでニコは飛んでるっていう。リハーサルとかを聴いてる感じよりもドラッグの現場テープを聴いてる感じになります。本当の詳細はどうなのかと思いますが、68年のこの2人っていうのもかなり意外でした。

書き込みありがとうございます。
>JADEさん
ぼくの年末はハッピーな呑みで年始は元旦から映画『マリア・ブラウンの結婚』を観に行きました。というわけで2013年も走れそうです。
>かくさん
VELVET UNDERGROUNDの再結成ライヴはCDもDVDも1~2回しか再生してないほど、ぼくはダメですが、テレビ局の人がお膳立てしたとされるこのライヴは笑顔にも妖気を感じます。「BEDROOM TAPE」、その内容そそられますねー。なんとか聴きたいですね。この三人の愛憎関係は話がつ尽きません。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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